20世紀中高年。
俺は落語が好きです。
何を今更かもしれませんが、俺は大喜利も楽しんでますが、落語も大好きです。
名古屋という土地柄ゆえ、なかなかナマでみる機会がないのですが、機会があればなるべく落語を見に行ってます。
最近は「お笑いブーム」だそうですが、「落語ブーム」みたいなものもあるんだそうです。
これは「日本語であそぼ」の「じゅげむ」、そして「タイガー&ドラゴン」などがきっかけだそうですが、時代が閉塞的になると「ことば」ブームが起きると聞いてますので、お笑いと言葉のミックスもあるかもしれないと個人的には思います。
さて、東京と大阪で落語家さんの所属する団体が違う…というのは皆さん薄々ご存じだとは思いますが、東京の中で落語家さんのグループが異なっているというのをご存じですか?
東京の落語家グループは、最大手の「落語協会」そして「落語芸術協会」、さらには「圓楽一門会」と「落語立川流」があります。
早い話がこういうことです。
名前 | トップ | 所属噺家 |
落語協会 | 鈴々舎馬風 | 春風亭小朝、林家正蔵、林家こん平、林家木久扇、林家たい平 |
落語芸術協会 | 桂歌丸 | 三遊亭小遊三、春風亭昇太、桂米助(ヨネスケ)、神田山陽 |
圓楽一門会 | 三遊亭圓楽 | 三遊亭好楽、三遊亭楽太郎、三遊亭愛楽 |
落語立川流 | 立川談志 | 立川志の輔 |
「なぜ落語協会と落語芸術協会は別れているの」というのがありますが、これは戦前に設立された母体が違うからだそうです。
異なる団体ですが、特に反目しあっているわけではなく、地方営業などでは芸術協会の歌丸師匠、協会の木久扇師匠がコンビで高座に上がることもあります。
一方で仲の悪いところもあります。立川流と圓楽一門は寄席には出ませんが、これには色々と因縁があるみたいです。
鈴々舎馬風師匠は、「笑点」の演芸で出たとき、「談志がいなくなってから落語協会は平和でいい」などと談志師匠の悪口を言いまくってました。
談志師匠の悪口を言う噺家さんは多いです。
ただ、近年は落語を盛り上げるために「六人の会」なども立ち上がっています。
この先はどうなるかはわかりませんが、それぞれ「落語」のためにという思いは一つなので、流派を超えた協力体制がもっともっと出来ていくといいなあ、と思っています。
さて、「会長」とか「怪しい鳥」とか笑点で言われた桂歌丸師匠が会長を務め、「便所でお知りを拭く会長」こと、三遊亭小遊三師匠が副会長を務めるのが落語芸術協会。
創立75周年を記念して、落語を広めるべく、美少女アニメーションを作ることになりました。
その名は、「落語天女おゆい」。
なんだかセーラームーンとか、サクラ大戦とか、広井王子とかあかほりさとるとかその手の名前が出てきそうな作品です。
原作の桂歌若師匠は「サクラ大戦歌謡ショウ」で大喜利演出を担当されてたそうですが、アニメの新作発表でノスタルジーを感じるのはいかがなものでしょうか。
歌丸師匠はというと、
今回「落語天女おゆい」というアニメ製作のお話しをいただきましたが、アニメも若い方に大変人気があると伺っております。そういったアニメの好きな方達にも落語の世界を知ってもらう良い機会だと思い、このお話しを快く引き受けさせていただきました。(落語芸術協会公式サイトより) |
大乗り気です。
師匠!騙されてますよ!
なんで「おじゃる丸」とか「忍たま乱太郎」のプロダクションにやらせませんか!
で、とりあえず第1話を見ました。
「第一席」と、落語を意識した作りになっています。
「江戸時代」と「現代」の時代に別れており、まずは江戸時代。
というか、幕末。
実在した幕末の名人・三遊亭圓朝(声:堀内賢雄)が「目黒のさんま」を高座で演じているところからスタートです。
これが微妙に面白くない。
アニメ絵じゃ落語の間とか、独特の色気ってのが伝わりにくいんでしょうかねぇ。
麻上洋子さんとか、寄席とも関係の深い声優さん(麻上さんは講談師でもある)がいらっしゃるだろうから、そういう人を選ぶのもありだったんじゃないのかなあ。
堀内さんも試行錯誤している感じがしました。
ここで登場するのがセーラームーンとサクラ大戦を足して2で割ったようなヒロインたち。
声はセーラーマーズの富澤さんです。
日本橋に出現したキングギドラみたいな妖怪に立ち向かいます。
が。
わずか3分後、敵の幹部によってセーラー戦士は全滅しました。
ポカーン。
そしていきなり現代。
日本橋学園(高速のすぐ近くに校舎がある)に通う落語マニアの少女・唯は、学校が終わるとジャージに着替えて何処かへ。
この学園にいるキャラと、日本橋大学(どこにそんな土地あるんだよ)にいるキャラが、大方さっきやられた戦士の魂を受け継いで転生するんだろうなあ、アクマイザー3がビビューンになったみたいに、と、すぐにこの先の展開が読めてしまいますが、まあそこは気にしない。
(なお、名字は全員江戸の地名から取られてます。)
そして主人公・唯が向かった先は、弟子入りをお願いしている桂歌丸師匠のご自宅でした。
歌丸師匠のお住まいは横浜の真金町。
日本橋というのは、東京駅のちょっと東。
学校帰りにひとっ走りで東京から横浜まで行ける唯ちゃんは、落語家よりもマラソン選手の方が向いていると思います。
登場するのは歌丸師匠の声は、桂歌丸師匠ご本人。
声優はダメだろうと思ってましたが、意外と違和感はなかったです。
これは、特定のキャラクターではなく、歌丸師匠本人だからと思われます。
実際、歌丸師匠が登場した瞬間、それまでどこかから持ってきたインスパイヤアニメだったのが、途端に面白くなったので(これはファンのひいき目かと思ったんですが、ネットの感想拾うと、ほぼそうだったらしい)、歌丸師匠はこの先どんどん出てもらわないとアニメがつまんなくなるなと確信しました。
あとは、予想通りの展開でした。
下手に江戸時代の戦闘とかなくして、女子高生がひとりは歌丸さんに、ひとりは小遊三さんに、ひとりはヨネスケさんとこに弟子入りして、お互いにライバルとして競っていく…みたいな展開の方が面白いような……。
そしてこの作品の最大の問題。
Before AFTER
髪、増えすぎ。
いや、マジで増えてますよ。
いくら原作者が弟子だからって、これはヨイショしすぎです。
なお、原作者の師匠によれば、富士子夫人が美人すぎるので詐欺だそうです。
あなたは怪獣が好きですかッ!?
と聞かれて、どれほどの人がイエスと答えるかは微妙なところだと思います。
「え、今更怪獣?バカジャネーノ」
「おいおい、オコチャマかよ、ギャハハ!」
とまあ、そういう反応が返ってくるかもしれません。
が、しかし。
「あなたは怪獣が好きでしたか?」
と聞くと、男は大概イエスと答えるでしょう。(←独断と偏見)
なぜなら、怪獣は少年にとって永遠の浪漫なのです。
と、いうわけで、今日の日記は映画のネタバレと、怪獣への大いなる愛情を含んでいることを理解してからお読み下さい。
さて、怪獣が好きだった少年は多数でも、どの怪獣が好きかとなると話はかなり別になります。
俺の世代ではまずなんと言ってもウルトラ怪獣ですね。
俺がガキの頃はウルトラマン休眠期で新作はなかったものの、愛読誌「テレビマガジン」や「てれびくん」が毎号「さいきょうのウルトラかいじゅうとくしゅう」とか組んでくれてましたので、毎月怪獣を見てました。
幼稚園の頃だったかな、ウルトラ怪獣大百科を親にねだって買ってもらいまして、これがなんと五十音順の全3巻、今見ても資料的価値の高い本なんですよ。
これをボロボロになるまで何度も読み返しまして、おかげで「ウルトラマン80」あたりまでの怪獣はかなりわかります。
だから、今でこそメガネかけて普通にスーツ着てるサラリーマンも、ガキの頃はバルタン星人やレッドキングに夢中になってた可能性が十分あります。
それから、俺が小学校に上がる頃から復活したのが「ゴジラ」シリーズです。
1991年公開の「ゴジラvsキングギドラ」が「ゴジラ」初体験。
いやー、もう、あの感激は忘れられませんよ。
少年にとって、ゴジラっていうのはもう、あこがれとかじゃないですよ。
絶対的、唯一無二の存在なんですよ。
そりゃね、科学的にあんな生物あり得ないだろとか、無茶だろとか、なんでミサイルでケガしないのとかあるんだけど、そりゃね、ミサイルで死ぬのは怪獣じゃないんですよ。ただの巨大生物なんです。
怪獣は巨大生物か?否、決してイコールではありません!
敢えて言おう、巨大生物≠怪獣=人間の理解を超えた大いなる存在であると!
そう、たとえ人間がいかなる科学を手にしても、この自然を征服できないように、人間の無力さを我々に教えてくれる教育者としての怪獣!
ああ、怪獣!
怪獣ばんざい!!
とまあ、私はこのギドゴジ(ファンの間でこの作品はこう呼ばれる)以降、「ゴジラvsモスラ」「ゴジラvsメカゴジラ」「ゴジラvsスペースゴジラ」「ゴジラvsデストロイア」と、ゴジラシリーズを見ていくわけです。
さて、我が国にはゴジラと並ぶもう一体、大いなる存在の怪獣がいます。
一般的には意外と知られていない、しかし怪獣ファンは絶対に忘れないその怪獣の名は、「ガメラ」です。
(ここで「ギララ」「ガッパ」を期待した人はゴメンなさい)
このガメラ、怪獣ファンの間ではゴジラと並んで西の横綱に位置する怪獣なのですが、ゴジラとはかなり一線を画した存在です。
まず、デザインはワニガメを元にしています。デザインは明確にカメです。
そしてネーミング。
冷凍怪獣バルゴン、超音波怪獣ギャオス、宇宙怪獣バイラス、大悪獣ギロン、大魔獣ジャイガー、深海怪獣ジグラ……。
「大悪獣」ですよ!
もうこんなネーミングセンス考えられませんよ。
他にもギャオスの武器は「超音波メス」ですし、ギロンに至ってはこれですよ。
ちなみに頭の横から手裏剣を発射します
存在その物が悪い冗談なワケですよ。
俺はガメラシリーズではこのギロンが大好きで、存在その物がギャグだとしても俺はこの怪獣のラブリーなフォルムが大好きなのです。
(全体的に昭和ガメラシリーズの怪獣はラブリーです。)
そして、ゴジラは核爆発によって誕生し、人間にとっては基本的に(昭和の一部を除いて)恐怖と破壊の象徴なのですが、ガメラはシリーズ通じて人間の味方がほとんどです。
つーわけで、ゴジラしか好きじゃない人と、ガメラしか好きじゃない人が会うと、大概揉める気がします。
「怪獣は人間の敵じゃなきゃ」「いや、怪獣と人間は共生出来るよ!」みたいな感じで。
さて、そんなガメラシリーズも、平成に入ってからの「ガメラ3部作」以降、製作が途絶えていました。
そりゃそうでしょう。
「ガメラ〜大怪獣空中決戦〜」「ガメラ2〜レギオン襲来〜」「ガメラ3〜邪神<イリス>覚醒〜」この3作は怪獣ファンのみならず映画ファンやSFファンなど幅広い分野の人々から高い支持を受け、ある友人に至っては「ガメラ2はガメラとレギオンさえ出てこなければ素晴らしい本土防衛シミュレーション映画だ」と語っていました。
その作品を果たして越えられるか。
企画その物はあったとしても、なかなか通すことが出来なかったのが実際でしょう。
しかし、ゴジラの完結とウルトラマンネクサスの打ち切りによって、怪獣が絶滅の危機に瀕した昨年、ガメラは颯爽と我々の前に戻ってきたのです。
それが、「小さき勇者たち〜ガメラ〜」でした。
<ここよりネタバレあり>
さて、「ガメラ復活す」の第一報を聞いた私の第一声、それはファンにあるまじきものだったことをここで告白しておかなければなりません。
それは、「うわ、転けそう!」というものでした。
いや、怪獣映画を作らないことがトレンドになる中、ここでささやかな抵抗でガメラを作る、いかも監督は仮面ライダーの田崎竜太氏というのがある種の懸念になっていたのです。
特に監督が田崎氏というのはある意味大きかったと思います。
田崎監督は東映特撮シリーズでのキャリアが長く、等身大ヒーローの演出はともかく、果たして巨大怪獣の映画にあの味が合うのか、激しく不安だったのです。
とはいえ、見に行かないと興行収入がつかない=転けたらガメラもオシマイになる、という危機感でいってきました。
お布施ですよ、ええ。
まずは33年前のシーンから。
ガメラ(アヴァンガメラという)とギャオスが伊勢志摩地方で大激闘しているシーンからはじまります。
アヴァンガメラは平成ガメラをさらにワニガメっぽくした感じで、パンフによると「旧ガメラ風のデザインも考えていた」というから主役のNG版を使ったんでしょう。
早い話がバルキー星人(※NG版ウルトラマンレオ)ですね。
ギャオスはというと、ちょっと見た感じでは昭和ギャオスっぽく感じました。
このシーンは平成版を彷彿とさせる怪獣アクションが展開され、全体的にファンタジックな映画の中では異彩を放ってる感じです。
そして、アヴァンガメラが自爆して33年後。
伊勢に住む少年・透(出演:富岡涼氏)は事故で母親を亡くし、ボーっと過ごしていました。
やることといったらケロロ軍曹を読むことだけ。
劇場公開の時点ではまだ出てない13巻を吉崎先生が書き下ろしたという凄い小道具もありますが、まあ、とにかく劇中のキャラクターは揃ってケロロ軍曹が大好きです。
実際の13巻の表紙は異なるでしょうが、いっそ150巻とか、あり得ない数字にするのも面白かったかもしれません。
そんなケロロスキー少年を演じた富岡氏は2年前「スペシャルドラマ 弟」で裕次郎さんの少年期を演じており、確か渡哲也さんと風呂に入った役者さんですが、いやー、子役って2年ですごく大きくなるんですね。
まあ、それはともかく、透少年は無人島でカメを拾います。
なぜかケヅメリクガメというアフリカ原産のリクガメなのですが、その辺は気にしないようにします。
あと、泳いで島に行って、どうやってカメと石を拾ってもって帰ってきたんだろうという基本的なツッコミもナシにします。
そのカメは一晩で随分大きくなるのですが、さらに空を飛ぶという不思議な能力を見せてくれます。
そんな危ないカメを「部屋から出るなよ」といって放し飼いにする少年。
ケージ買ってこいよ…。
このあとトトと名付けたガメラが家の中を探検するシーンがありますが、ここは楽しかったですね。
特に出刃包丁と向かい合うシーンはギロン戦そのもの。
そういえば、「ガメラ2」の企画段階では敵をギロンにしようってアイデアが出たそうですが、「ギロンじゃギャグだよ」ということで没になったそうです。
そして、その頃日本近海に出没する謎の巨大生物「ジーダス」……。
「エリマキトカゲ」が元ネタだそうですが、なにせ顔つきが微妙にゴジラに似ていたのと、ゴジラの着ぐるみを改造した「ジラース」という怪獣が存在していたことから、「ジーダス」=「ジラース」=「ゴジラ」説がネット上に出ています。
一緒に見に行った後輩と「ありゃジラースだな」とは言いましたが、だからといって作品の質が悪いわけではなかったです。
別にイイジャン、ジラースだろうとジーダスだろうと。
そしてガメラが8メートルサイズで登場し、物語は一挙に加速します。
ジーダスとのファーストバトルでは着ぐるみとCGを合わせた俯瞰カットが多用され、迫力ある映像になっています。
ファンタジー色を強めつつも、怪獣映画のツボは押さえているので、なかなかポイント高めです。
そして名古屋に搬送されるガメラを追う少年のシーンが胸を刺し……って、ん、名古屋?
そう、この映画、名古屋ロケなのです。
名古屋でロケをしていたのです。
実は去年、エキストラの募集もあったんですが、仕事とかぶっている上に早朝集合で参加できませんでした。
と、いうわけで、名古屋市民からすると凄い複雑な気分になります。
名古屋にはそもそも名古屋理科大学もなければ、中央総合病院もないし、そもそもその病院が一体どこにあるのかわかりません。(理科大は多分名古屋港の近くだと思う)
というのは、少年が伊勢から名古屋駅(中村区)で降りて、栄(中区)まで行ったあと再び名古屋駅に戻ってますし、中央総合病院の患者が避難したのは熱田区の国際会議場センチュリーホールです。
いったいどこにあるんだ中央総合病院。
いっそタイアップで名大病院か八事日赤、市大病院(全て昭和区)あたりにすればよかったんじゃないのと思うんですが、よく考えると昭和区じゃ名古屋駅と反対方向だから大騒動ってほど大騒動じゃないでしょうし…。
そして本作最大の賛否両論「赤い石」がはじまります。
ガメラのエネルギー源「赤い石」を、「これをトトに」と言っただけで次々子ども達がリレーしてガメラに届けていく、という展開です。
ウルトラマンティガで、子ども達の祈りがウルトラマンに届く、みたいな展開がありました。
これを嫌がる人もいれば、支持する人もいるのと同様、これを許容できるかどうかが本作最大のキーポイントだと思います。
「まあファンタジーだから」と割り切ればいいんでしょうが、そのあとがどうも行けない。
国際会議場を出た石は、大須近辺を通って納谷橋付近を通り、なぜか栄に戻ったあと、その次のシーンで名古屋港(港区)に戻って、最後に名古屋駅に着きます。
正しくは地下鉄名古屋港駅からポートビルに向かうまでの道で撮ってます。
避難する人々が皆一様に海の方向へ逃げていくので、「そっちは行き止まりなのになぁ」と思いながら見てました。
大体、ジーダスは名古屋港に上陸して大須経由で名古屋駅に行ってるわけだから、国際会議場はその途中で踏みつぶされてるはずですし、国際会議場の2階窓から見えるのは名駅前ではなく、隣にある中央卸売市場の建物なわけで、名古屋人としては複雑な気分で見てました。
そしてガメラに赤い石が渡って、その次にガメラが取った行動。
赤い石を、食ったァァァァァァァァ!!
俺も後輩も「食べるんかい!」ですよ。
後輩は、「額に曲玉があるという設定なら、その辺に吸い込まれる描写の方が…」と言ってましたし、俺もそう思います。
赤い石はサプリメントか?
そしてあっさり倒されるジーダス。
ガメラを守るために頑張る子ども達の大群。
どこにいたんだ。
そして飛んでいくガメラ。
まあ、ファンタジーとしては一級のデキでしたが、ファンとしては最後にひとつ注文が。
オヤジさん役の津田寛治さん(そういえば仮面ライダー龍騎に出てましたね)がそこで「イカスぞ、ガメラ!」とか言ってくれたらよかったのに。
なんちゃって。
映画館にいたお子さまは大喜びでした。
肩の凝らない作品ですので、是非。
先日仕事中に、ガンダム展開催中の看板を見かけました。
そこは、愛知県高浜市の「かわら美術館」。
高浜市というと、某世界的自動車メーカーの関連企業が多数ある場所です。
そこでやってるガンダム展。
それは、「来るべき未来のために」という、現代美術の展覧会です。
なんでこんな遠くでやるのかちょっと驚いたんですが、推測できる部分はこれしか考えられません。
県内に特殊な現代アートを展示可能な美術館が少なかった
これに尽きます。
こんなことを言うのはアレですが、愛知県内にある美術館のほとんどは、現代美術に対応していません。
(そんなこと言うと、国内に美術館、ほとんど対応してませんけどね)
特に今回は、設定通りの大きさで作られたコアファイターや、巨大セイラさんも展示するため、常設展示を取りやめにする必要が出ます。
箱を探すのは大変だったと思いますよ。
少なくとも、名古屋市美術館や愛知県美術館ではセイラさんは展示できません。
以前、東京での展覧会に行っていましたが、ムラムラ来て今回また行ってみました。
展示に苦労の痕跡見えまくり。
東京では展示されてたけど、愛知県には来てない作品もありました。
学芸員の人たちは苦労しただろうなあ…
でまあ、前回は音声ガイドを聞きながらで、あんまり集中できなかったので、今回はガイドなしでゆっくり回りました。
コアファイターは、全国回ってるうちに機首のあたりに傷が出来てました。
触る人がいるんでしょう。
実際触ってる人もいました。
展示物については、前回と同様に、現代美術展としてはなかなかよくできていると思うんですが、ひとつ、「スペースコロニーの実験」とか言うテーマでやってた展示物に若干懸念があります。
ちょっとコケが弱ってきてますね。
このままだとコケが死滅、とはいかなくとも、ダメージが拡大しそうです。
そこだけ注意ですね。
今回、どうしてもやりたかったことがあります。
それは、「ニュータイプ適性検査」という展示。
これは体験型の展示で、体験しないと楽しめないんです。
前回は時間の都合でできなかったため、今回はやりたかったんですよ。
で、なんと、体験することが出来ました。
まずはこのニュータイプ検査、1回の実験で7組×2人=14名しか体験できません。
これにセンバツされるには、ニュータイプ適正一次試験を突破する必要があります。
そのセンバツ方法とは、5枚のカードから、指定されたカードを2度連続で選ぶことです。
確率的には5の2乗で25分の1です。
つーわけで、山勘ではまず無理。
ココを突破する方法はひとつ。並んでる最中にひたすら前の人のカードを見て、法則性を見つけましょう。
俺は見つけました。
左から、13245、の順番で所定のカードが出ました。
これは今回だけなのか、それとも毎回共通かはわかりません。
ただ、カードの出現に法則性があることは間違いないと思います。
それに気づけるかどうかがニュータイプですね。
第二次検査は、ニュータイプによるサイコミュ実験。
念を送って相手を動かすことと、念を受けて動くことのふたつです。
今回は、運良く送受信両方で体験できました。
(普通は片方のみ。俺と同じく一人で来てた人とペア組めた)
サイコミュ実験とは言いますが、原理は大変シンプルです。
まず、送信者。
こめかみと額に電極をつけ、目の動きを筋肉の動きから察知して信号を送ります。
信号は3タイプで、前、右、左の3種です。
続いて受信者。
コップを手で持ち、水面を見つめながら足を踏み出して歩きます。
その信号を受信し、左の信号の場合は左の電極から微弱な電流が、右なら右の電極から流れます。
(電流といっても、銭湯の電気風呂より弱い、肩こりの治療器レベルです。)
で、実際やってみると、いや、これ、なかなか難しいですよ。
首の後から突然電流が流れ、なおかつ下の方を見て、足を踏み出して歩いているのでバランスが崩れやすくなります。
また、誘導はいいんですが、実は今回、会場の都合で天上から吊された障害物がカットになってるんですよ。
おかげでちょっと面白くない。
あと、送信者も難しかったですね。
なにせ、メガネを外されるんですよ。
メガネがないと何も見えないんです。
とりあえず動かしてみましたが、うまく信号が伝わらなかったみたいです。
今回、試験を受けられたと言うことは、ニュータイプの適正があるということでしょうか。
ただ、カテゴリーFかもしれません。
フロスト兄弟に粛正されるのはイヤだなー。
※前編はストーリー紹介なので、ネタバレおもいっきりしてます。ご注意下さい。
「ゲド戦記」見てきました。
つーわけで感想。
前編はストーリー、後編は解説を。
どっかの異世界(アースシーと言うらしい)では、各地で異常な状況になっていました。
そんな状態を打開しようと必死で政治に明け暮れる賢王は、ある日心の闇に支配されたキレる17歳・カミーユ=ビダン(出演:岡田准一)によってマカロニ刑事と同じような感じで刺されます。
そんな頃、額に傷のあるユパ様のコスプレをしたシャア=アズナブル(出演:菅原文太)は、クワトロ=バジーナと名を変え、各地でぶらり途中下車の旅をしていました。
その途中、シャアはティターンズに追われる身となったカミーユと出会い、「私の同志になれ。ララァも喜ぶ」とそそのかして、共に旅をするようになりました。
途中、カミーユとクワトロは大都市に立ち寄ります。
そこで、カミーユは顔にヤケドのあるツンデレ少女、惣流・アスカ・ラングレー(出演:手嶌葵)が朝鮮総○の人々に拉致される現場に出くわします。
「へっへっへ、お嬢ちゃん、ウリたちの将軍様の喜び組みに入らないかニダ」
「いやー、誰があんな売春婦になるもんですか!」
「このアマ、言わせておけば、偉大なる将軍様の悪口は許さないニダ」
カミーユは「女の名前をした坊主は引っ込んでるニダ!」と言われて激高し、「女の名前で悪いか!」と朝○総連の人たちをボコボコにしました。
すると朝鮮○働党から指令が出て、カミーユは逆に拉致されてしまいます。
万○峰号に乗せられて平壌へと送られる中、突然クワトロが現れてカミーユを救出してくれました。
朝鮮○連のボスに収まり、親衛隊を使って悪辣なことをしているキリシア=ザビ閣下(出演:田中裕子)は、カミーユを救出したのがクワトロであることに気付いていました。
クワトロは昔なじみの女性・ナナイ(出演:風吹ジュン)の家に駆け込みました。
そこには偶然にも、拉致されかけた少女・アスカもいました。
アスカはカミーユが自分をオカズにしていると思いこんでいたので、カミーユに心を開くことはありませんでした。
しかし、カミーユが「君の歌は素敵だ。特にガッツマン。」と言ったらすぐに仲良くなりました。
カミーユたちは畑仕事に精を出していましたが、弟ガルマを殺したクワトロを憎むキシリア閣下は朝○総連の人々を差し向け、ナナイを拉致してしまいました。
さらに女に免疫のないカミーユを熟女の色気で脳殺し、手下にします。
そしてクワトロ大尉も拉致され、「赤い彗星も地に墜ちたな!」「まだだ、まだ終わらんよ!」
そこへ、アスカがカミーユの良心・碇シンジと共にキリシア閣下の城にやってきます。
「しっかりしなさいよ、バカシンジ!」
「どうして俺の本名しってんだよ!」
そして覚醒したカミーユは、宇宙刑事ギャバンよろしくレーザーブレードからギャバン・ダイナミックのコンボでキシリア閣下を倒しました。オシマイ。
とまあ、「ゲド戦記」、大体こういう話です。
ストーリーは深く考えると矛盾とか細かい説明不足とか気になりだして楽しめなくなりますので、とりあえず声優の演技力も考えないで、「へぇ〜」という感じで見てきてください。
※ネタバレは今回もしていますので、ご了承下さい。
まとめてぶった切っていこうと思うのですが、全体の雰囲気は宇多田ヒカルの夫が監督した「実写版・新造人間キャシャーン」に似た臭いがします。
と、いうのは、テーマその他を何度も喋らせているからです。
「耳をすませば」あたりからパパ宮崎の噛んできた作品には説教臭さがにじみ出るようになりましたが、「耳を〜」なら「立花隆の説教」とかそれなりにうまくやってたんですよ。
しかし。
今作は言いたいことをまとめて台詞にさせました。
いや、それはいいんです。他でもやってるから、ジブリだけがダメってことはない。
もちろん、表現としてはあまり褒められないけれど、それも一種の技法ではあります。
評価は下がっても、それは許さざるを得ません。
私が今回本当に「ちょっと待て」と言いたかったのは、宮崎ジュニアが、自分の本当にいいたかったことは最後まで台詞にしなかった、ただしとっても露骨に表現した、というこの一点にあります。
では、その言いたかったテーマは何か。
見た人は一目瞭然。
見てない人でもあらすじだけでわかります。
宮崎吾朗監督(以下、ジュニア)の本当にやりたかったテーマ、それは父殺しです。
ボブ・ディランの息子といい、ジョン・レノンの息子といい、長嶋一茂氏といい、フクシ君といいそりゃ偉大な父(※)を持った息子は苦労しますからな!
ジュニアはインタビューで「宮崎駿は父としては0点」といってましたけど、早い話がパパ宮崎が嫌いなんでしょう。
殺したかったこともあったんでしょうなー。
だからって、映画の冒頭、なんの脈絡もなく、説明もなく、ナイフでブスッ!というのはどーなのよ?
最後までこれについて説明はなく、主人公アレンは、「時々自分が自分でないくらい凶暴になるんだ」という、犯罪者の自供みたいなコメントをしただけでした。
しかし、そのまま刺しちゃうって言うのは対話の拒否ですよね。
パパ宮崎と分かり合うって言う努力を放棄している。
「ゲド戦記」の賛否両論は、この「父殺し」の部分にかなりのウェートがあるような気がします。
絵が粗いとか、色々な意見があるわけですけど、アカデミー賞に輝いたロリコンムービー「千と千尋の神隠し」をはじめ、ロリコン映像で定評のあったジブリが、まさか父殺しムービーとは思いませんよね。
正直なところ、アレンがなぜ父をぶっ殺すに至ったかというストーリーにしたら、メチャクチャ面白い話になったんじゃないかと思います。
さて、父殺しといえば、なんといっても当サイトとしてはあのお方を出さざるを得ないんです。
あのお方とは「機動戦士ガンダム」の原作・監督、富野由悠季監督です。
次回はオマケっつーことで、宮崎ジュニアに見て欲しいトミノ作品を紹介します。
ここまで読んでくれた人は気付いていると思いますが、スタジオジブリはアメリカのネズミ会社ほどハッキリと規定しているわけではないらしいんですが、人の死というものを描いてこなかった一面があります。
もちろん「平成狸合戦ぽんぽこ」のように、何人か(何匹か?)人間との戦いで不慮の死を遂げるキャラクターもいましたが、あの「もののけ姫」ですらシシ神の怒りに触れて死んだ人をかなりボカしていました。
ほかにも、パパ宮崎が押井守監督とモメた理由というのは押井氏が「惹かれ合う男と女が二人っきりでいるならチョメチョメするのが当然じゃないですか」というものだったそうで、ジブリ作品からはリビドーというものがまず漂ってきません。
(劇中明確な性的関係があったのはこれまた「平成狸合戦ぽんぽこ」程度ですが、あれはタヌキだしなぁ…)
今回、アレンが王様をブスッ!とやったのは、ジブリ的には相当なエポックだったと思います。
もちろん、アレンはクモに食われたと思うんですが、そういう描写がない当たり、人が死ぬより官能的な描写の方に規制が働くんでしょう。
極道もののVシネマがジブリDVDの裏にある日本ならではの概念ですが、その辺については割愛しておきます。
いきなりですが、その昔、野村克也監督は「長嶋茂雄はひまわりの花。私は月見草」と自虐的な冗談を言われたそうです。
これが、「宮崎駿とスタジオジブリはひまわりの花。俺はどうせ月見草」としたらどうでしょう。
まるで、富野由悠季氏の発言に感じませんか?
「キングゲイナー」のアニメーションディレクター、吉田健一氏は元スタジオジブリのアニメーターで、ポスト宮崎駿の一人といわれた人だそうですが、以前ガンダムエースのインタビューで「トミノとパパ宮崎は自分の中で同列」みたいなコメントをしていました。
実際のところ「不殺主義の宮崎」「皆殺しのトミノ」(※)と、ふたりは実に対照的でした。(※2)
(※宮崎を不殺主義としているのは当サイトの主張ですが、皆殺しの富野はアニメファンの一般常識です)
(※2「でした」と言ったのは、「ブレンパワード」以降富野氏の作品で皆殺しが影をひそめたからです)
今回、絵柄だけならパパ宮崎を受け継いだ宮崎ジュニア吾朗監督。
ではストーリーはというと、ガンダムのせいなのかなんなのか、とっても富野節なのです。
なんせ1967年生まれですから、1980年、ガンプラブーム当時13歳。
ジュニアとガンダムの関係性についてのインタビューはないのですが、ちょっと気になりますよね。
富野監督の作品群は、親子の仲がすこぶる悪い。
時には親子で殺し合うシーンもあったりします。
アレンのナイフでブスッ!なんかかわいいものです。
しかし、富野監督は1998年、「ブレンパワード」以降、作品が豹変します。
「ブレンパワード」においても従来と同じく主人公・伊佐未勇とその親が対立する、そんな構図ではじまりましたが、全編を通じて描かれたのは、勇が「癒され」そして、親を「赦す」というプロセスです。
「ブレンパワード」という作品は、富野監督の作品史上、「難解」とされることが多いのですが、固有名詞に惑わされずにそれ以外の台詞をきちんと拾えば、簡単に理解できます。
ビデオとDVDで数え切れないほど見返してますが、本当に素晴らしい作品です。
で、これを見た俺に言わせれば、「ゲド戦記」は「ブレンパワード」に劣ります。
「ブレンパワード」は「スーパーロボット大戦」に参戦したおかげで知名度が若干上がったとはいえ、「トミノがエヴァに対抗して作った」くらいの認識が一般的じゃないでしょうか。
少なくともヒイロ=ユイと、ガロード=ランと、伊佐未勇だったら、勇が知名度では圧倒的に負けそうです。
話を戻します。
実は、俺は「ゲド戦記」を見ている最中、頭の中で「ブレンパワード」が離れませんでした。
これは、テーマが似ているというのもあるのですが、音楽という問題もあります。
「ブレンパワード」の音楽は菅野よう子女史。
菅野女史は、「ブレンパワード」を「馬のようなもの」と認識し、バグパイプを使った荘厳な音楽を作りました。
ハイ、これで「ゲド戦記」見た人はおわかりですね。
「ゲド戦記」の音楽ではバグパイプが使われているんですよ。なんてこった!!
ストーリーどころか音楽まで被ってしまった。
これはよくない。
そりゃ頭の中でブレンがちらつきますよ。
とはいえ、「ゲド戦記」は、興行的には当たると思います。
(すでに300万人以上が見たとか)
オバチャンたちが「テルーの唄」で号泣したらしく、褒めちぎっているので(ジブリどころかアニメすら見慣れてねえオバチャンたちは泣ければなんでもいいのか。冬ソナとか)、かなりの人間が見るでしょう。
オバチャンの口コミは怖いですから。
問題は次作です。
次は「ジュニア」の神通力は使えません。
オバチャンもあてになりません。
そうなる前に、ジュニアは、パパ以外の誰かの下でみっちり監督修行をした方がいいと思います。
なにもトミノとは言いません。
りんたろう監督でもいいですし、知己の押井監督でもいいでしょう。
下積みなしで監督は、やっぱり、厳しいんじゃないのかな、と思います。
「ウルトラQ」がはじまって早40年。
それを記念して公開されるのがウルトラマンメビウスの劇場版です。
今回は前後編に分け、この映画の魅力をたっぷりとご紹介します。
と言うわけで今回ですが、今回は映画におけるウルトラマンの話をしたいと思います。
今回映画になりましたウルトラマンメビウスですが、実は、残念なことにウルトラシリーズの劇場版、評価の低いものが多いです。
まず、初期の大部分に見られる「再編集」というものがあります。
全編新規撮り下ろし、ということはまずなく、ほとんどの場合テレビの再編集となります。
「東宝チャンピオンまつり」の当時はビデオが普及していなかったこともあり、当時人気のあったウルトラシリーズのエピソードを丸ごと上映するなんてこともあったんだそうです。
初めて劇場用オリジナルが制作された、と思いきや、黒歴史の「ハヌマーン」が登場するタイ版ウルトラマン。
「仏様を大事にしないヤツは死ぬべきだ!」と叫んで仏像強盗を踏みつぶすハヌマーンが出てくるアレです。
シャムっつーのは恐ろしいところで、仏像泥棒は踏んでもよし、悪いことしてる首相は追い出せ!ってなわけで、タクシン首相もたくさん寺院に寄付しておけばこんなことにはならなかったんじゃないのかなんて思います。
(※この文章は9月21日に執筆されました)
その後も、新規撮影を加えるなどありましたが、基本的に旧作の名場面を切り張りする状態が続きます。
切り張りした名場面の多くはウルトラマンvs怪獣。
そりゃウルトラマンだけなら俳優にカネ払わなくていいし、自社だけで賄えますもんな!
また、劇場でアニメ「ウルトラマンUSA」が公開されましたが、これは元々アメリカのテレビスペシャルです。
近年はアニメウルトラ戦士(チャック、スコット、ベス、や、ザ・ウルトラマンことジョーニアス)も着ぐるみが作られており、もしも読者さんでウルトラ戦士大体わかるけどなんか知らないアメコミっぽいヤツが混ざってるねって思ったら、コイツラです。
結局、ウルトラシリーズの完全オリジナル劇場版は「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ」まで待たなくてはなりませんでした。
ここら辺は、初代からオリジナル劇場版を制作していた「仮面ライダー」「スーパー戦隊」とは対照的です。
やはり、円谷プロという独立プロダクションと、東映という映画会社では台所事情がちょっと違うのでしょうね。
そんなわけで、ウルトラマンが映画公開というのは、かなりのお祭りです。
したがって、珍作と呼ぶしかないものもあります。
というか、珍作揃いです。
なんたって筆頭は「ウルトラマンゼアス」ですよね。
元々、出光興産とのタイアップだったのですが、主演はとんねるずで、ウルトラマンに変身する人は、当時のとんねるずのマネージャー。
もはや俳優ですらありません。
普段はガソリンスタンドに偽装し、怪獣出たら出撃、変身するときは電動歯ブラシ、とまあ、「おふざけ」作品でした。
ちなみにこれは10年前、つまりシリーズ30周年記念作品。
「仮面ライダー」も20周年で「真・仮面ライダー」をやりましたし、「機動戦士ガンダム」は20周年で「G-SAVIOR」。
○周年記念は黒歴史ばっかりです。
このように映画は微妙だったウルトラシリーズも、「ウルトラマンティガFINAL」以降、子供だましで終わらせない、大人にも楽しめるような作品を目指しているようです。
往年のファンあった著名人もカメオ出演したりしています。
元々円谷プロダクションは映画職人の集まる場所だったので、映画として楽しめるエンターテイメントを今後もたくさん、出して欲しいと思います。
※本日の日記には映画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」のネタバレが含まれています。
本作の見所はテレビシリーズ最新作「ウルトラマンメビウス」とウルトラ兄弟の共演です。
テレビシリーズとはパラレルワールドだと思いますが、ちょっとわかりません。
ツルギ(ヒカリ)とか無視されまくりですし…。
また、クルーGUYSはまったく活躍しません。
神戸ロケに参加しておらず、テレビシリーズ序盤でミライがあんまり活躍せず、GUYSメンバーが前面に出ていたのも撮影の都合ではないのかなと思います。
で、肝心の映画ですが、なかなか面白かったです。
板野サーカスっぽいアクションしてると思ったら板野一郎さんが噛んでたりしますし。
あと、ウルトラマンがAタイプマスクです。
再登場宇宙人としては、ザラブ星人、ガッツ星人、ナックル星人、テンペラー星人、巨大ヤプールと、各シリーズからまんべんなく出てます。
お約束の「偽ウルトラマン」もあります。
また、監督が「ウルトラマンネクサス」の小中さんだったこともあり、堀内正美さんがカメオ出演していました。
役名が「松永」で、堀内さんの携帯電話がネクサスのBGMになっています。
このほか、「ウルトラマンダイナ」のコウダ隊員役の布川敏和氏、ミドリカワ隊員役の山田まりや氏、そして氷川きよし氏もカメオで出ています。
カメオ出演は使いどころが難しいのですが、本作は桜井浩子氏、ひし美ゆり子氏、星光子氏、池田駿介氏をうまくカメオ出演させています。
ただ、本作のテーマとかそこら辺を全部台詞で言ってしまったのはどうなのかなー…。
「ゲド戦記」にしてもそうですが、最近「言葉」が安易に使われすぎてる気がします。
いったい何のために映像があるのかと。
映画なんだから、映像の力も信じて欲しいですね。
「救えない命がある」って口で言うのではなく、ピグモンをそこで思い出すとか、手はあるだろうに。
そこだけがどーもなーって感じでした。
あと、エンドテロップでほぼ全てのシリーズが紹介されたのですが、「アンドロメロス」の紹介がなかったのはちょっと残念。
劇中、最強怪獣「Uキラーザウルス・ネオ」(外観はデビルガンダムの最終形態)の身長を300メートル以上として、「シリーズ最大級」と言ってたんですが、「アンドロメロス」の怪獣戦艦は身長だけで1000メートルくらいあったんですけどねー。
やっぱ黒歴史なのかなー。
なお、散々文句を申しましたが、本作は犬を助けるためだけに死地へ赴く少年という80年代特撮のお約束が果たされており、映画館で大爆笑しました。
周囲の家族連れやオタクから睨まれますが、危ない場所へ犬を助けに行くのは勇気ではなく無謀です。
よい子は真似しない。
二千年の歴史を刻み、受け継がれてきた恐るべき映画番組があった。 (ナレーション:千葉繁) |
♪だだだー、だだだだーだだだだーだーだー、ゆぅわっしょぉっく!
というわけで(どういうわけだ)、タイトルと冒頭のナレーションで今日の内容がわかった人も多いと思います。
日本の映画番組史上、最もカルトな人気を誇るのが「木曜洋画劇場」です。
テレビ東京系列はカルト映画の放映に熱心で、「午後のロードショー」やら深夜帯やらで、大多数のB級映画を放映してくれました。
(ジャンクロード・ヴァン=ダムと、スティーブン・セガールといったら木曜洋画劇場です。)
中には「グーニーズ」みたいな比較的まともなものもありましたが、冷凍睡眠から目覚めたホームズが現代のアメリカで大暴れするという、シャーロキアンが見たら発狂しそうな作品やら(ケビン・コナー監督「帰ってきたシャーロックホームズ」)、ヒゲの配管工がキノコ食べてパワーアップするゲームの実写映画やら(「スーパーマリオ」)、屋根の上にドクロベー様の声で喋る子供の住んでる映画(「屋根の上のカールソン」)、色々凄いものがあります。
その中の一部は私のトラウマとして記憶に残っており、特に「屋根の上のカールソン」はもう一度みたい映画ベストワンですので、是非木曜洋画劇場で放映していただきたいと思います。
さて、このテレビ東京、インターネット普及前の青少年にとって、ありがたいテレビ局でした。
同世代の男の7割近くが「ギルガメッシュナイト」を夜中の居間でこっそり見た経験があると思いますが(ねーよ)、このほか「女教師」「ゼロウーマン」「ワニ分署」など、いわゆる「セクシーVシネマ」も夜中にやってました。
そんなテレビ東京がアニメのパンチラを規制するのだから世の中わかりませんが、とにかく、若い時分は私もお世話になったものです。
しかし、どんなニュースがあっても旅にグルメに温泉特集。こんなものではありません。
深夜番組でやるような番組を、堂々と21時からの「木曜洋画劇場」で流していたことがあるのです。
「そういえば、『エマニエル夫人』やってたね」と言う人もいるかもしれませんが、今回ご紹介するのはアンディ・シダリス監督でドナ・スピア主演の「グラマーエンジェル」シリーズです。
シダリス監督の中では「ピカソトリガー」シリーズと並ぶ「グラマーエンジェル」ですが、とにかくこのシリーズ、全然個性というものがありません。
あの「西部警察」もシリーズが進めば爆破に予算が取られて地方ロケ以外は人情路線でしたが、このシダリス監督作品はブレがありません。
売れる映画5つの誓い 1.大柄で巨乳の金髪ギャルを出すべし。 |
以上、終了。
いや、ホントです。
「チャーリーズ・エンジェル」と比較されることがありますが、「チャーリーズ・エンジェル」を5倍くらい薄めて、無理矢理おっぱい詰め込んだだけなんですよ。
すべて、「ハワイをはじめとするリゾート地で、セクシーでボインなプレイメイトたちがピストルを撃ちまくる」だけなのです。
これで演技がすばらしいならオススメできますが、プレイメイトたちなので、当然演技はダメダメです。
電着式プロップガンですらビビって目を閉じるし、「湖畔から遠隔操縦で、湖の中心のボートを爆破する」女テロリストが爆発にビビってます。
とはいえ、中学生当時金髪ねーちゃんのおヌードなんて簡単に拝めなかったから、生身の女体が動くだけで興奮したものです。
あと、演技は下手でも、吹き替えがセクシーだったというのもありますね。
先日放映したときは、榊原良子さん、小山茉美さん、勝生真沙子さんなど、豪華なメンツでしたっけ。
そんな中学生時代のほろ苦い想い出が詰まった「グラマーエンジェル」シリーズのDVDがついにリリースされることになりました。
2006年、12月8日に、シダリス監督のDVDが大量リリースされます。
期間限定で一枚約1000円。
期間を過ぎると3500円だそうで、これを機会に一枚買ってみては如何でしょうか。
シリーズ揃えずともよいのです。1作でお腹一杯ですから。
当サイトのオススメは、第1作であり、ドナ・スピア嬢の肉体が最もピチピチかつ、便器の中から凶悪な毒ヘビが登場する「グラマーエンジェル危機一髪」です。
なお、同じ日に「フルメタル・ジャケット」が1500円で再販されます。
こちらは買わないとハートマン軍曹閣下にPTされますので、ご注意下さい。
友人と話していたところ、プレイステーション3の話題が出ました。
プレステ3が今日発売なんて知らなかった上に、ブルーレイディスクが再生できるのも知らず、挙げ句定価すら知らなかった(プレステ3なるハードが開発されてるのは知ってました)のですが、まだまだプレステ2でも対応できるでしょうから、わざわざ出す理由もないだろうに、と思いました。
もしかすると、ゲーム機競争というのは、血を吐きながら続ける哀しいマラソンなのかもしれません。
かくいう私は自宅にある家庭用ゲーム機がファミコン、スーファミ、セガサターンの3種類だけで、今ではほとんどPCがゲーム機ですが、ファミコン発売の前年(1982年)生まれの私や同世代にとって、自らの成長とリンクするかのように、ゲーム機も成長していった感があります。
ファミコン以前のゲームと言えばアルカノイドなどのブロック崩しやインベーダーゲームですが、こちらも実はプレイ経験があります。
「ドンキーコング」は、アーケード版をプレイしたことが1度だけあります。
しかし、なんたってファミコンですよ。
ガキの頃からファミコンはごく自然に自分の周囲に存在し、当たり前のようにプレイしてきました。
それからスーパーファミコン。
ファミコンが1983年に登場し、スーファミが1990年に登場したので、この間7年ですが、プレステ2からプレステ3まで(6年間)の技術進歩に対する衝撃は、ファミコンからスーファミのそれとは全く違いました。
「プレステ3には驚かない。スーファミの方がビックリした」と言うと、同世代の人間は大概同意してくれますし、このテキストをお読みの方もなんとなく俺の言いたいことはわかっていただけると思います。
とにかく色の数が全然違うんですよ。
特に驚いたのは、雑誌に載っていた「ドラゴンクエストV」(1992年)の開発画面です。
「こんな凄いのが出るのか!」と思ったものです。
FF派(※VIまで)でドラクエはほとんどプレイしてないんですが、FFV(1992年)の隕石落下シーンを初めて見たときも同じくらいの衝撃でしたね。
次にゲーム機で衝撃的だったのは、「スターフォックス」(1993年)です。
ポリゴンで3Dシューティングというのに腰が抜けるほど驚きました。
オモチャ屋のデモムービーには感動しましたね。
ただ、実際に友人宅でプレイした際は、あまりにもちゃちい描写で愕然としました。
記憶違いでなければ、「ガンダムW」のピースミリオンみたいな三角形の戦闘機で、今でこそシンプルなデザインと言われてますが、当時の俺には格好良く見えなかったんですよね。
これは、スーパーファミコンがポリゴンに強くなかったというのもあるでしょう。
衝撃的に登場したスーパーファミコンですが、わずか3年で限界を見せてしまったと言えるかもしれません。
そして、しばらく後に「バーチャファイター」(1993年12月)なるゲームがゲームセンターに登場しました。
近所にゲームセンターが出来た頃です。
「スターフォックス」とは比べものにならないほどの立体的なグラフィックに驚愕しました。
同時期に「バーチャロン」や「バーチャコップ」などもゲームセンターに並び、ゲーセンが宇宙空間に見えたこともありました。
ゲームの時代は、早くもスーパーファミコンの次の時代へと進化していったのです。
ですから、その翌年(1994年)に「セガサターン」「プレイステーション」が発売されてもそれほど驚きは感じませんでした。
確かに、プレイステーションにて発売された「機動戦士ガンダム」(コックピット視点でプレイする)には驚きましたが、どちらかというとセガサターンを持って走り回る土星人とか、「ファイナルファンタジーの最新作はプレステで出る」といった、ハードウェアに関係ない側面で驚くようになりました。
事実、俺がゲームの技術進化で驚いたのは「ついに3D」という「スターフォックス」「バーチャファイター」あたりまでで、それ以降はソフトその物のの衝撃になっていきました。
そして、今度はソフトの衝撃よりも、もっと別の場所に注目するようになりました。
たとえば、ちょっと記憶があやふやですが、「Nintendo64」なんかでは「3Dスティックの名称を公募します」なんて企画がありました。
(結局3Dスティックが定着して立ち消えになった気がしますが、どうでしたかねー)
「ジャンプ」だったか、雑誌での「64」レビュー記事で見ただけなのでどうだかわかりませんが、俺の持つ64の印象は、この「名称公募」と、最初に出るソフトが相変わらず赤い服装の好きなヒゲの配管工が出てくるやつと、羽生さん将棋ゲームと、もう1本記憶にもないソフトの3本だったことくらいです。
「ドリームキャスト」なんかもっと酷く、「ドリキャスが発売されたらせがた三四郎はどうなるんだ?」「湯川専務は社長にならないのか?」といった、広告戦略に話題が集中しました。
そのドリキャスはモデムを標準装備し、「インターネットが出来る」という大きなウリもありましたが、ネットしたい人はパソコンを買いましたし、iモードに勝てませんでした。
「ファンタシースター・オンライン」で「オンラインゲーム」を家庭に持ち込んだ功績はあると思いますが、ハードウェアとしての衝撃は「ギガバイトディスク」というあまり聞かない仕様にユーザーが「なぜDVDじゃないの?」と突っ込んだ程度だったと記憶しています。
「プレイステーション2」に至っては、「すげえ、このハード、DVDが見られるのか!」ですよ。
実際、あの当時はDVDプレイヤーよりプレステ2の方が安かったので、DVDソフトには「プレステ2で見られます」というシールが貼ってありました。
そういうわけですので、しばらくはハードウェアの進化で「すげえ!」と思うことはないと思います。
その後いくつもハードが出ながら「まあ、一段とキレイになって…」以外の褒め言葉が出てこないのがいい例です。
プレステ3にせよ、エックスボックス360にせよ、Wiiにせよ、「キレイですね」「リモコンが面白いですね」「ネットワークと連動してるんですね」といった印象ばかりで、「すげえ!」と開口一番出てこないんですよね。
プレステ3は、ブルーレイディスクプレイヤーを兼ねていますが、ここまでDVDが定着した現状で、どこまでブルーレイが定着するのか、まだまだ疑問が残ります。
そう言う意味では、家庭用ゲーム機はある種の「壁」が来ているのでしょう。
仮に次にすげえ!と思うとしたら、「目を使わないゲーム」になると思います。
目を使わずに、脳髄に直接アクセスするゲーム、早い話が「マトリックス」ですよ。
あるいは、「恐竜惑星」とか「ジーンダイバー」みたいなバーチャルダイブできるゲーム。
そう言ったものが果たして家庭でプレイできるようになるかどうかはわかりませんが、もはや今の進化ベクトルでは限界になりかねないので、ゲームそのものが高度な面で進化すべき時が来てるのだと俺は思います。
某憂国ブログにあるCGIゲームが紹介されてました。
その名は「左翼ゲーム 結衣ちゃんは革命家」。
紹介されたのが憂国系というのもありまして、「ついに敵もここまで来たか」みたいな紹介のされ方でした。
左翼が敵かどうかはともかく、なかなか新鮮な印象を持ちました。
こういうネタを待ってました。
というのは、左派の方々というのはどうもユーモアに欠ける部分があるように感じるんですね。
堅苦しいというのかな。
悪くはないけど、これはちょっとオカシイ。
作者さんもブログで左派から黙殺されたと発言されてましたが、「インターナショナル」が出てくる時点で左派の方が楽しめるはずです。
左派からすればエンターテインメント化というのは、ナチスの手法だと訴えそうですが、やはり世の中、親しみやすいものに流れる傾向は否定できないと思います。
これは怖い構図かもしれませんが、事実あるものを否定するのはやはり、難しいでしょう。
さて、この「結衣ちゃんは革命家」のプレイレポをやる前に、俺はまず「懺悔」をある人にしなければならないのです。
それはこのサイトを見てるか見てないかわからないんですけれど、大学に入った頃、俺は小説を書いていて、ある人に書けたら読ませる約束をしていたのです。
ところが、その約束を果たさないままここまで来てしまったのです。
というわけで、前編は俺の個人的なザンゲです。
中学生から高校生にかけて、中二病に罹患してました。
政治チックな発言してる自分って格好いいと思っていました。
反体制が格好いいと思ってました。
権力に立ち向かう人々が格好いいと思ってました。
あー、恥ずかしい。もう、穴があったら入りたい。
そう言う時に「そうだったのか日本現代史」(池上彰・著)の学生運動に関するところを浪人の頃に読んで、「彼等はこんなにも純粋だったのかー!」と感激し、小説を一本書き始めました。
プロットを元に再現するとこういう話です。
学生運動に成り行きで参加した主人公と友人二人は、東大安田講堂陥落後本格的に運動に参加し、ひとりはテルアビブ空港で銃乱射して射殺され、残るひとりと主人公は連合赤軍の総括リンチにあい、友人は主人公を助けるために殺されて主人公だけが生き残る。その後、友人を殺した連中も大半が総括リンチで死にいたり、最終的にあさま山荘事件そのもので世間から学生運動は終わった。
中二秒にかかってる頃考える話って、ストーリーだけなら面白そうですよね。
おそらく、学生運動を知らない人たちからは「面白そうな話じゃないですか」と言われそうですが、あの辺の時代の人からはまず突っ込まれるでしょう。
というか、ちょっと調べればすぐわかる。
日本赤軍がテルアビブで銃を乱射したのは、あさま山荘事件の後なのです。
じゃあこれは「よど号事件」に直そうかなーなどと思ってちょっと調べていくうちに、ドツボにはまり、史実をネタにするとこのプロットでは100%無理なことが判明し、ウンウンうなっているうちに左派の問題点も知って、しかも重度のオタクに戻った上、小泉前総理と北の爆笑王が握手したことがきっかけで学生運動に対してリスペクトする気がなくなってしまったのです。
ですから今後日の目を見ることはないのです。先輩ごめんなさい。
ティーンエイジャーの頃って多感で、その日感じたことが翌日に変わってることだってあるので、そう言う次期に長い小説書くもんじゃねえなって、今では思ってます。
中学時代にシャア・アズナブルが「地球の人間は身勝手だから皆殺しだ!」と叫んだ際に「そうだ!」と思ったり、学生運動にしてもそうですし、大塩平八郎とか、アナベル・ガトーとか、さらには2.26事件の反乱将校にも感動しているので、性格的に中二病が治りにくい人間だと思います。
最近はそういう病気が持病であると自覚が出てきたので、以前よりはマシになってきましたが、自覚がなかった頃の行動は実に痛々しい。
振り返るのが辛いですよ。
さて、「結衣ちゃんは革命家」をプレイしながら、改めてあの小説のことを思い出しつつ、色々調べたんですが、左翼って凄いですね。
左翼が様々な党派に分裂し、活動もそれぞれ別れていったことは認識してましたが、ビックリ仰天です。
赤軍派と日本赤軍と連合赤軍は別物ですし、中核派と革マル派と、「結衣ちゃんは革命家」に出てくる戦旗派も別物です。
大体戦旗派って何じゃらほい。今回初めて知りましたがナ。
これをどう読者さんに説明したらよいものか迷いますが、こういう結論に行き着きました。
・フィギュアを買うやつと同人誌を買うやつとガンプラを買うやつとゲームやりまくるやつは同じオタクだけど別物。
・鉄道に乗るヤツと撮るヤツと時刻表だけで満足できるヤツと鉄道グッズ収集家は同じ鉄っちゃんだけど別物。
・デラーズフリートと旧ネオジオンと新ネオジオンとアフリカジオンと火星ジオンは同じジオンの系列だけど別物。ついでに言うと正統ジオンと新生ジオンとズィー・ジオンと……。(以下略
こういう風にたとえると怒られそうですが、彼等だって左翼=赤軍=テロリストみたいな図式で見られた時期があるでしょう。
一緒にしないでくれって思いがあったはずです。
だから俺も敢えて言います。
「電車男はオタクだけど、オタクが全部電車男ではありませんよ!」と!
前回に引き続き、「結衣ちゃんは革命家」の具体的な感想です。
このゲームそのものは1ヶ月以上前から知ってた、というかプレイしてたのですが、実を言うと評価云々はきちんとクリアしてからの方がいいだろうと言うことで、本日クリアが終わるまで、このサイトで論評することは控えてきました。
クリアまで1ヶ月以上かかりました。
俺がゲームにここまで血道上げたのは「同級生2」「サウンドノベル 街」「To Heart」以来です。3個中2個はエロゲーです。
あらすじはそちらを見ていただければわかりますが、都R大学なる架空の大学(モデルはヤクルト・古田監督の母校か?)に入学した新入生の主人公(名前は自由に決められる)が、結衣ちゃんという先輩(先輩だけど年下に見える)の新左翼活動家に一目惚れして仲間入りして色々イベントをこなしていく、と言うギャルゲーです。
ギャルゲーではありますが、ヒロインはひとりしかいませんし、イベントも基本的に分岐はありません。
いくつかバッドエンド選択肢っぽいものもありましたが、クリア目的なのでバッドエンドを回避してます。つーわけでバッドエンドもあると思いますが、よくわかりません。
あとネタバレはあります。ご了承下さい。
まず全体をプレイしての感想は「面白かったけど、苦痛だった」です。
別に左翼で思想があわないから苦痛とかではないです。
そりゃ革命には苦痛が付き物かもしれませんが、1ヶ月以上の長きに渡って、650回以上ログインし、毎回同じような選択肢を選ぶのは苦痛でした。
クリアできたのは「はじめた以上クリアしたい」「とりあえず我慢すればクリアできるんだから」というそれだけの信念で、またやりたいかと聞かれたら絶対NOです。真里さんを攻略できるならやりますけど。
制作者の狙いとしてはじっくり楽しんで…というものがあったんでしょうが、正直、CGIゲームはサクサク進めて、1週間から2週間程度で終わるくらいがちょうどいいと思うのです。
だから1ヶ月以上じっくりやるというのは正直言って苦痛ですし、「こんなゲームありました」の次に「皆さんも是非!」という言葉が出てこないのは俺自身、後半は苦痛とともにプレイしていたというのがあります。
ですから、途中で主人公を邪魔してくる「葉寺」(合計で10ポイント以上はこいつに下げられてるはず)なんかは出てくるたびに「ゲバ棒で殴る」コマンドを探しましたし、好感度を無条件で上げてくれるレーニンたんが出てくるとホッとしたものです。
しかし、シナリオそのものは面白かったです。よく出来てたと思います。
複数攻略は出来ませんでしたが、クライマックスではヒロインとの同衾(富野的表現)を臭わすシーンもありましたし、下着姿になるとか、水着姿になる場面もあり、80年代の学生運動だけに80年代前半の絵というところを我慢できればギャルゲーとしてツボは押さえてます。
起承転結も出来ていて、運動は盛り上がるんだけどソ連崩壊をきっかけに衰退していくという展開は唸りました。
新左翼運動って赤軍が暴れたから衰退したんだと思ってましたからね。
しかも80年代の新左翼って暴れないんですね。
新左翼って言うとフィクションの中では(特に「人狼」とか)火焔瓶とゲバ棒がデフォルト装備で、機動隊とガチで殴り合うことが多いのですが、このゲーム中はビラ配りと成田で農作業してるだけでした。
途中で内ゲバ(中核派?に殴られる)みたいな場面もありましたが、ほとんど最後までビラ配りと農作業です。
当然、軽井沢の山荘を占拠してライフルを乱射するシーンもありません。
それから、シナリオについてですが、途中でメガネの女が出てきて、その女に会ってる間好感度が激しくマイナスになったんですが、ある選択肢を境に一切登場しなくなったんですよ。
これはいったい何だったのかすこぶる謎です。
この女の正体も含めて、もうちょっと丁寧に説明してくれたらなーと言うのはワガママですかねぇ?
その他ゲームについて細かい感想云々は、ここでは割愛します。
とにかく、よくできてると思います。が、長い。これが俺の結論です。
あと、ゲームそのものとはあまり関係ないのですが、プレイして感じたのは、「太陽にほえろ!」や「西部警察」のようなドラマが出来たのは、やっぱり時代の流れだったのかなー、ということ。
これは、途中で主人公が機動隊にボコボコにされる場面があって、なんか「西部警察」とかの取り調べもこんなもんだったよなーなんて思ったのがきっかけです。
丁度「特捜最前線」のDVD見てたのもあって、無実の人間が殴られるのってこういうのなのかねーなんて思いました。
実際には「西部警察」には左翼ゲリラは出てきませんし、テロリストが出てきてもほとんどが特定の政治思想を持っていません。(例外は第1話の右翼が米軍の装甲車で暴れる話)
これは、脚本家が「大門軍団が思想警察になる」ことを恐れたためだと聞いたことがあります。
ただ、「大都会」や「西部警察」が展開になったのは、70年代後半からのゲリラやテロリストの活動がある種バックボーンになってた部分はあったような気がするんです。
だから、ドラマとはいえ、そう言う刑事ドラマが受けた。
今はそうでもないですね。
「太陽にほえろ!」や「西部警察」などは、今時の若者が見ればギャグですよ。
だから、現在では、敵が国外テロリストという「亡国のイージス」や「西部警察スペシャル」みたいなものが支持されるのかなーなどと思いました。
とはいえ、俺はもし80年代後半にタイムスリップできたら、結衣ちゃんと革命はしないですね。
だって、80年代後半ですよ?
尾崎豊は生きてたんですよ?
なぜ主人公はライブCOREも大阪スタジアムも蹴って革命しておるのかと小一時間問いつめたいですな!
あと、イマイ科学もまだあったわけで、サンダーバードとキャプスカとUFOの模型は買い占めます!
モビルフォースガンガルとかも80年代後半は割とあったというので、当然買い占めます!
それから、「リアル武者ガンダム」という、幻のガンプラ(金型が劣化して再販できないとか…)も買います!
「トランスフォーマー」のG1シリーズだって買い放題ですよ!
週刊少年ジャンプだって、あの頃は連載作品すべてが金字塔だったわけで、そう考えると80年代後半って俺にとって宝の山がたくさん転がってる時代なんですね。
だから、俺は、80年代に生きたかった!ということをゲームやりながら感じました。
テレビドラマで一本だけ「これ!」と選ぶとしたら何を選びますか?
この質問、あなたはどう答えるでしょうか?
「おしん」「北の国から」「踊る大捜査線」「冬のソナタ」、そう言った作品に集中するとは思います。
決してメジャーではない、しかしこれを忘れることは許されない、それが「特捜最前線」というドラマです。
「特捜最前線」は1977年、NETがテレビ朝日に改称するにあたって誕生した刑事ドラマです。
当時の刑事ドラマ界では「太陽にほえろ!」(ロッキー刑事着任)、「Gメン '75」(津坂刑事殉職)、「大都会〜闘いの日々〜」といった名作がズラリと並んでいました。
俺は今でこそ「なんじゃこりゃあ!」とかやったり、「西部警察」を気取ったりしていますが、本当に一番大好きでリスペクトしているのは「特捜最前線」です。
じゃあもっと特捜最前線をリスペクトして、前面に出せばいい。そう言われそうですが、そう言うものではないのです。
実は、「特捜最前線」は暗いのです。
「西部警察」が「陽」とすれば、「特捜最前線」は「陰」です。
「闇」と呼んでもいいかもしれない。
人間の、社会の、男女の間の、全てのものに存在する「闇」に挑戦したもの、それが「特捜最前線」だったと俺は思っています。
初めて見たのは忘れません、177話「天才犯罪者・未決囚1004号!」です。
橘警部が刑務所に潜入し、犯人の隙を窺うという一進一退の頭脳戦です。
当時小学校4年生だった俺は一瞬で引き込まれました。
その次に見たのが179話「面影」です。
それまで支援してきた娘が刑事と知った途端に手のひら返すような話だったんですけど、イヤー、暗かったし、なにせボーイフレンドが娘を押し倒すシーンもあって、刺激的でしたねー。
そして、その日、今でも我が家で伝説となった名言が生まれました。
「ぼく、あしたから小学校いかない。登校拒否する。特捜最前線見たいから。」
小学校4年生ですよ、4年生!
なんて生意気なクソガキなんだ!!
当然ですが、親から「特捜最前線禁止」を言い渡されました。
とはいえ、その後もチョコチョコと思い出しては見てました。
ビデオに余裕のあるときしか録れなかったので全て見たわけではありませんが、吉野刑事が殉職するあたりまで見て、その先は無視してましたね。
メーテレは500話までいったら200話まで戻すんですよ。
で、また見始めるという。
おかげで津上刑事がいたなんて知らなかったので、「津上刑事の遺言!」を最初見たときは全部理解できませんでした。
でもいいストーリーだって思いました。
大空駆ける男がいた |
「特捜最前線」がはじまった当時、すでに日本の刑事ドラマには「太陽にほえろ!」という金字塔がそびえ立っていました。
スコッチが転勤してロッキーが着任した頃なので、ボンの人気が絶頂だった頃です。
番組としても最も人気があった頃で、「特捜最前線」のコンセプトに「太陽にほえろ!」への対抗心があったことは脚本家の長坂秀佳氏も認めてらっしゃいます。
で、「太陽にほえろ!」への対抗心からか、このドラマ、とにかく刑事の異動が少ないのです。
殉職者も10年で2人だけ。
しかも、プロデューサーは殉職に反対だったと言われています。
異動者が少ないと言うことは、当然レギュラー刑事の数も少ないと言うことです。
つまり、こういうことです。
ドラマ名 | 特捜最前線 | 太陽にほえろ! | 西部警察 | 大都会 | Gメン'75 |
刑事数 | 24名 | 18名 | 18名 | 22名 | |
話数(SP含) | 509話 | 718話 | 236話 | 132話 | 355話 |
メイン出演者 |
二谷英明 |
石原裕次郎 |
石原裕次郎 |
石原裕次郎 |
丹波哲郎 |
少なッ!
さらに、3名は番組終盤440話以降の登場と言うこともあっておぼえてる人の方が少ないと思います。
実際俺もおぼえてません。
「ルックルック」(現在は「スッキリ!」)の阿部レポーターが昔特捜でレギュラーしてたなんておぼえてる人の方が少ないと思います。
また、この特捜最前線は「特命捜査課」というエリート部署なのもひとつの特徴です。
後半は警部補ばっかりですよ。
警視庁捜査一課よりも権限が上(交通事故からヤクザ絡みまで何でも手がける)らしく、一課の古畑警部補なんかが現場に行っても「これは特命課でやるから」と言われて追い返されかねません。
しかし、そう言った「嘘」も、取り調べでボコボコに殴らない、拳銃は課長の許可がないと携帯しない、手錠をむやみやたらとはめない、取調室でカツ丼を食べない、変なニックネームをつけないなど、「太陽にほえろ!」や「西部警察」が流されている時期を考えればリアルに見えたんでしょう。
実際、「踊る大捜査線」が出てくるまでは「リアル系」の最右翼だったと思います。
そして、刑事たちもクセのあるヤツらばかりです。
見よ!
この「濃い」オッサン刑事たちを!!
(なお、通常の刑事ドラマですと1話からのメンバーでまとめるのが普通ですが、「特捜最前線」は5年間レギュラーが変わらなかった時期があり、それが最もポピュラーな組み合わせとなりますので黄金期として紹介させていただきます。ご了承下さい)
<黄金期メンバー>
神代恭介警視正(出演:二谷英明)
最初見たときオープニングで「警視正」と表記されててビックリ。
課長=警部のイメージがあったので、これには驚きました。
劇中はデスクに座っていることが多いのですが、現場で指揮を執ることもありました。
女房は部下と駆け落ちしており、残された一人娘は犯人に射殺されるという不幸のどん底人間。
ほかにも養育の補助してた犯人(死亡)の娘に人殺し呼ばわりされるなど、この人が親の顔を見せるとろくなことがおきません。
このダンディーな神代課長を演じたのは往年の日活スター・ダンプガイこと二谷英明さん。
一人娘の二谷友里恵さん(現在:家庭教師のトライ社長)は郷ひろみさんの最初の結婚相手でした。
ほら、「ダディ」で「僕は友里恵以外の人と〜」って、おぼえてないよね…。
なお、撮影中の事故のため何話か不在のときがありました。
船村一平警部補(1〜128話、170〜430、499〜500話)(出演:大滝秀治)
通称「おやじさん」。最初見たときはなんて刑事のクセに弱そうと思いましたが、実際心臓に持病があるという設定でしたし、劇中他の刑事より体力などで劣ることをハッキリ明言してます。
しかし、体がダメなら心で勝負する刑事で、とにかく藤田まことさんやいかりや長介さんの演じた同類の刑事をはるかに超越した、粘っこい演技で「特捜最前線」の影の主役とも言える働きを見せてくれます。
船村主演話はしばしばサブタイトルに「老刑事」がつき、「この話にハズレはない」とまで言われてます。
128話で妻の看病をするために特命課を去り(大滝氏さんが「影武者」撮影で多忙のため)、170話で復職。その後、430話にて退職します。
演ずる大滝秀治さんは現在劇団民芸の重鎮で、「ツマラン、お前の話はツマラン!」などのCMでもおなじみですが、「特捜最前線」出演以前は時代劇の悪役が多く、「特捜最前線」は大滝さん自身にとってもエポックとなった作品でした。
なんとか大滝さんがお元気なうちに「特捜最前線スペシャル・退職刑事船村の事件簿」をスペシャルでやってくれ、って思うのは俺だけ?
橘 剛警部(53話〜最終話)(出演:本郷功次郎)
藤岡さんが一時降板した翌週、入れ替わりで登場。
長崎の辣腕警部ながら、色々あって流れてきたと言う展開で、バツイチという設定です。
奥さんとの間に出来た子供がいて、それが劇中色々と使われてました。
最初は無精ヒゲ生えてたはずですが、すぐにそって、潔癖かつ真面目な熱血刑事になってました。
演ずる本郷功次郎さんは往年の大映スター。
こうしてみると出演者って日活(二谷さん)、松竹(藤岡さんは松竹出身)、大映と、東映のドラマなのにメインが東映の生え抜きじゃなかったというのは今考えると不思議ですね。
平成版「ガメラ」のゲスト以降お見かけしてませんが、お元気なのか、少々気がかりです。
紅林甚一警部補(52話〜最終話)(出演:横光克彦)
通称「クレさん」。藤岡さんが抜けたためにヘリコプター要員として登場。
このほか英語を話すシーンもありました。
特命課に限って言えば相対的に甘いマスクでロマンス話も担当してましたが、社会派も出来るなど、バラエティに富んだ話が多く、通算の主演回数ではかなり多い刑事さんのひとりです。
なお、演じた横光克彦氏はレギュラー入り以前に一度「特捜最前線」にゲスト出演(40話)されています。
現在は衆議院議員(5期)で、社民党の副代表・国対委員長を経て、現在は民主党に所属されてます。
叶 旬一警部補(148〜最終話)(出演:夏夕介)
殉職した津上刑事の後任として着任した「はみだし刑事」…という設定だったけど俺が見てた当時は未熟ながらも内面の熱い若手刑事でした。
船村のおやっさんの後ろを叱られながら付いてくるイメージです。
捨て子として施設に拾われ、努力で刑事になって若くして警部補になったものの、人嫌いで犬にしか心を開かない…はずでしたが、中盤のロマンス話(≒恋した女が犯人だったor被害者になる話)は叶刑事が多かった気がします。
とはいえ、犬絡みの事件は叶刑事の独壇場でしたし、出生の秘密も劇中明かされる(実は大物代議士の息子だった)など、印象的な役柄が多かったですね。
演じていた夏夕介氏は元々「ジ・オックス」のメンバー(赤松愛氏の後任で当時は田浦幸名義)。
その後俳優となり、「特捜最前線」には何度かゲスト出演してます。
そのときの演技(「六法全書を抱えた狼!」)が認められてレギュラー入りとなりました。
病気をきっかけに活動を停止していらっしゃったようですが、克服され、現在は活動の場を舞台に移しています。ちなみに、娘さんはタカラジェンヌだそうです。
吉野竜次巡査部長(1〜435話)(出演:誠直也)
特命課唯一の高卒出身者(※話数によっては大学出たことになってるのもあった)で、頭ではなく、気力と体力で勝負する熱血刑事。
けんかっ早く、ホレっぽく、先に手が出るという、特命課で唯一大門軍団に入れそうな、貴重なバイプレイヤーです。
彼にもロマンス話がありましたが、とにかく結末の痛々しさ(愛する人を逮捕しなければならない)は叶刑事よりも上です。
恋してる最中に「ただいま青春です」って…オイオイオイ!
津上刑事が殉職した際も、大声で「何でお前が死ななきゃならないんだぁぁぁぁぁ!!」とひとり泣きながら絶叫するシーンがありますが、これが出来るのは吉野刑事だけですな。
435話にて、暴発した拳銃の弾丸が当たって殉職。
こうしてみると、おやじさんの退職と吉野刑事の殉職から1年あまりで番組は終わるわけですが、無理もないよなーなんて思いますな。
後期特捜を初めて見た俺の感想は、「おやっさんと吉野がいない!これは特捜じゃない!!」でした。
演じていた誠直也さんは現在はVシネマなどで活躍中です。
桜井哲夫警部補(1〜52話、103話〜最終話)(出演:藤岡弘、)
番組開始当初は警部の地位を持つ、ヘリコプター担当の刑事。
いったんアメリカ出張のため特命課から去り、103話で復帰。
初期特捜はあまり見てないのですが、愛の刑事だったそうです。
俺が見てた当時は冷徹で非情な、哀の刑事になってました。
父や兄は弁護士という面白い設定があり、それを生かした話もありましたが、兄を演じた岸田森氏が急逝され、中盤以降兄絡みの話がなくなったのが残念です。
また、帰国後警部補に降格しましたが、降格後も「桜井警部」と呼ばれることが何度かありました。長寿ドラマにはよくあることです。
演じたのはリアル・ラストサムライこと藤岡弘、先生。
30代という、最も俳優として勢いのある時期に出演した「特捜最前線」は間違いなく藤岡先生の代表作でしょう。
俺は初めて見たとき、藤岡先生がご出演されているのを見て、「へえ」としか思わなかったのですが、今考えるとこれは運命的だった気がします。
<それ以外>
高杉陽三巡査部長(1話〜105話、355話)(出演:西田敏行)
西田敏行氏演ずるオッサン刑事。
いい味出していた反面、西田氏が売れっ子になり、転勤。
その後355話にて警察を退職していたことが判明しますが、レギュラー当時の話はあまり知らないので割愛。
滝 二郎巡査(108話〜169話、355話)(出演:櫻木健一)
桜木健一(現:櫻木健一)氏演ずる若手刑事。
着任当時は二谷さん(ケガ)、大滝さん(「影武者」の撮影で多忙)、西田さん(降板)と、番組開始当時のレギュラーにアクシデントが起きており、テコ入れの一環だったようです。
番組で唯一、1話にも最終話にも出ていない刑事な上に当時桜木氏が多忙だったためあまりメイン話がなく、私も特に印象がありません。
劇中で結婚退職してラーメン屋を開業してますが、脚本家も印象が薄かったらしく、特命課で顔を合わせていない高杉刑事と旧知の仲みたいな台詞を355話で話してます。
津上 明巡査長(1話〜147話、355話)(出演:荒木しげる)
荒木しげる氏演ずる新人刑事で、若さあふれる熱血漢。
「暴れん坊将軍」出演のため殉職降板後、355話にて新撮シーンを加えた回想シーンでゲスト出演。
殉職そのものもいわゆる殉職とは一線を画しており(細菌爆弾を処理するために自爆)、津上刑事殉職エピソードはファン投票にて1位を獲得しています。
時田伝吉警部補(SP・436話〜最終話)(出演:渡辺篤史)
犬養清志郎巡査部長(SP・436話〜最終話)(出演:三ツ木清隆)
杉 敏夫巡査(440話〜最終話)(出演:阿部祐二)
後期特捜最前線に入ってきた刑事たち。
俺は後期特捜前線見てないから多くは語れません。
阿部さんはDVDの発売記者会見にて「特捜にいた2年半」と発言してますが、彼等の在籍は1年半。
私が訂正しておきます。
本放送当時はこの時期から放送時間も変更になっており、印象のない人が多いのでは?
実際、DVD化の際のファン投票では後期特捜は最終回と船村ゲスト話、蒲生殉職編以外まったくランクインしてませんでした。
時田刑事の渡辺さんは現在「建物探訪」のレポーター。
三ツ木さんは2時間ドラマなどで見かけます。
阿部さんは現在、日本テレビ朝のワイドショーでレポーターやってます。
このほか短期レギュラーの早見健介刑事(出演:五代高之)、的場大刑事(出演:渡辺裕之)、準レギュラーの冷泉女史(出演:白川由美)、蒲生警視(出演:長門裕之)など、濃いメンツが揃ってます。
しかし、これ書いてる段階で気付いたんですが、この「特捜最前線」、俳優は全員健在で、2006年現在では物故者がいないんですよ。
長寿ドラマで物故者ゼロ、さらに俳優を廃業した人間は阿部さんだけ。
これならいつでも新作が作れそうじゃないかと思うのは私だけですか?
藤岡先生を課長に迎えてのリメイク版「特捜最前線」見たいよなー。
ただ、「太陽にほえろ!」「Gメン'75」「西部警察」、平成版それぞれの末路を考えると、やらない方がいいかもしれませんね。
天に地に |
引き続き「特捜最前線」ネタです。
ここ数年(2001年2月以降)、名古屋では「特捜最前線」の再放送が行われておりませんが、一時期は平日火曜日から金曜日までの午前中、ほぼ毎日「特捜最前線」がオンエアされていました。
まさしく特捜天国でして、裕次郎さん13回忌の際、テレビ朝日系列では「西部警察」が全話放映されましたが、名古屋地区ではパート1「マシンX爆破命令」で打ち切られ、すぐに「特捜最前線」に戻されています。
後に午後の枠で「西部警察パート2」がオンエアされましたが、パート3は1話もオンエアされず、特捜一筋です。
私が浪人になってから一度もオンエアされていないのがイヤらしいのですが、高校時代まではチョコチョコ見てました。
つーわけで、印象に残った話をいくつか。
最も印象に残ってるのは351話「津上刑事の遺言!」です。
番組のラテ欄が、普段は「二谷英明 大滝秀治 本郷功次郎 藤岡弘」といった名前なのに対し、その日だけ「二谷英明 西田敏行ほか」だったんですよ。
その頃は「特捜最前線」を、気が向いたときとか、タイトルに惹かれて録ってみることが多く、その日も気が向いたときのひとつでした。(ちなみに録ったけど見ないままになったのもあったはず)
その時は、津上刑事、滝刑事、高杉刑事を知らず、津上がなぜ笑っているのか全然わかりませんでした。
なにせ、「ボツリヌス菌の爆弾を処理して」って時点で「ええ?」だったんですよ。
この当時は小学生で、ボツリヌス菌とボツリヌス毒素の違いをわかってなかったんですね。
劇中使われたのは「A2型」というフィクションの新型ですが、世界中のテロ国家(もちろん北朝鮮を含む)がボツリヌス毒素を使った細菌爆弾を開発していると言われており、今こうしてみるとうまいフィクションだなと思います。
とはいえ、信号無視で死んだとされた少年の父親が無実だったことを立証するために奮闘する特命課の面々に熱くなりながら見てました。
犯人「な、なんで、なんでこんなことをあんたたち特命課がやらなきゃならないんだ!」
叶「こんなこと?こんなことのために、残された子ども達はどうなるんだッ!?」
こんなやり取りがあった気が…。
これは高校時代の再放送でも見て、実はビデオにもまだ残ってるんですが、いい話ですよね。
余談ですが、高校時代の再放送見たときですら高杉と滝に面識があるという設定を不自然に思わない俺がいました。
133話「六法全書を抱えた狼!」は俺の特捜最前線ベストワンに挙げる作品です。
司法修習生がレイプをし、被害者は自殺。
事件を目撃した吉野刑事が根性で被疑者をマークするものの、法律を巧みに操って逃げ回る。
そんな犯人を執拗にマークし、最終的に自白させるという壮絶な作品です。
この演技が認められて、犯人を演じた夏夕介氏は叶刑事に昇格しましたが、後のインタビューで夏さん、誠さん双方が「忘れられない」とコメントしてらっしゃいました。
実は「特捜最前線」はレイプ事件が実に多く、女性にはお勧めできない作品です。
一例を挙げれば、
・結婚式場で新郎を数年前の殺人容疑で逮捕したら誤認逮捕。新婦は警察署から帰る途中でレイプされた上に殺害される。(198話「レイプ・似顔絵を描く女!」)
・スーパーマーケットで働く若いパートさんが社長に目をつけられレイプされる。さらに妹も美人と知った社長は続いて妹も毒牙にかけようとする。妹は犯人の顔を見たが、犯人が姉の勤め先の社長なので名乗り出るのを躊躇う。(249話「レイプ・襲われた姉妹!」)
などなど、「時計じかけのオレンジ」よろしく性欲への嫌悪感を得られること請け合いですよ!
でも小学生にはわからなかったです。レイプとか。
235話「少女売春・夢を掘る男!」なんか、小学生の時みたんですけど、売買春の意味がわからなかったんですよ。
なにせ性交そのものが理解できてない頃ですからね。
だから高校時代に見たときは「これはこんな話だったのか!」と驚きました。
また、夏場は怪談シリーズというか、怪奇犯罪ものがオンエアされる傾向にありました。
偶然にも高杉婦警編は見てませんが、俺の中で印象に残ってるのは223話「ピラニアを飼う女たち!」です。
なんせ、海水に頭から突っ込んで溺死させた遺体を、バスタブに水をはり、その中にピラニアを放って身元が割れなくなるまでボロボロにさせるなんて恐ろしいトリック使ってたんですよ。
オマケにその回は叶刑事が単独捜査。
ヤメテー!叶刑事危ないわー!!
などと見てるこっちも思わずオネエ言葉になりそうなくらいハラハラものでした。
水死トリックと言えば冷泉教授の350話「殺人トリックの女!」も思い出します。
荒川で殺したと見せかけて多摩川で殺した、と見せかけて実は荒川で殺してたというトリックに唸りました。
あと、ウルシにかぶれる真犯人にハッタリで挑んだ回があった気がするんですが、419話「女医が挑んだ殺人ミステリー!」でよかったのかなあ?
それから、あまり話題にはならないけど、個人的に印象深いのは240話「サンタクロース殺人事件!」。
クリスマスシーズンにサンタクロースが殺人をするんだけど、当時街中にサンタさんがいて誰が誰かワカラナイという話し。
後に「逮捕しちゃうぞ」の原作版で、ストライク男が雑踏の中に逃げる、なんて場面がありましたが、これは怖いですよー。
冒頭でサンタさんがステッキ使って被害者ボコボコに殴ってるんですからね。
245話「冬のマンモス団地ミステリー!」も凄かった。
叶刑事が団地の我が家に帰宅すると電話が鳴る。
女の声。
女「叶さん?あなたの顔が見たいから窓の側に来て」
叶「どこから見てるんだっ!?」
女「今日のネクタイもス・テ・キ……」
どう見てもストーカーです。本当にありがとうございました。
さらにこのストーカー女には妹がいて、その妹と叶刑事は偶然にも恋に落ちてしまい、姉も叶が好きだったので壮絶な修羅場に発展していくという…。
五輪真弓さんの「マリオネット」が流れる中、真犯人の女がマリオネットの糸を炎の中で次々と切り落としていく様はハッキリ言って怖い!
俺はこの話から西洋アンティークドールとか、もう怖くてカンベンです。
この話は死体トリックがカギだったのですが、もっと凄かったのが302話「始発電車にあった死体!」。
山手線の始発に死体が乗っていて、それがぐるぐる乗り続けて、発覚した際に社内がパニックになると言う展開で、よくこんな怖い話を考えつくなあと思いました。
342話「離婚届を持つ刑事!」は、その時期ネットやってたので詳細なデータを入手しており、俺の好きな五代高之さんが出るのを楽しみに見てました。
実際には「サンバルカン」や「西部警察」のような好青年ではなく、ドライで斜に構えた現代っ子になってましたが、おやじさんとの絡みがよかったですね。
348話「爆破0秒前のコンピュータゲーム!」はパソコン通信から大病院のコンピューターに不正アクセスし、コンピュータ爆弾を使って自分に厳しかった看護婦や医者を皆殺しにせんとたくらむ少年犯罪者が登場しました。
この当時からネット犯罪の登場を察知していた「特捜最前線」、先見性があったわけですよ。
361話「疑惑・警察犬イカロスの誘拐!」は叶のメイン話でしたが、麻薬探知犬に麻薬を注射してシャブ中にし、シャブほしさに犬が探知するという展開に度肝を抜かれました。
あまりにもそのインパクトが強すぎて、真犯人の宮内洋さんがどう逮捕されたかおぼえてないくらいです。
そんな「特捜最前線」も、440話以降の後期シリーズはほとんど見てません。
終着駅の女を一本見たくらいです。
愛と死と憎悪が渦巻く |
さて、11月に発売されたDVD-BOX、購入された方、いらっしゃいますでしょうか?「柔道一直線」のように2巻以降が発売中止になると困るので、是非多くの方にご購入いただいて、何度でも泣いていただければ幸いです。
2006年12月現在、発表されている段階では、3ボックスで、47本(うち2時間スペシャル1本)の収録だそうです。
まあ色々意見がありますよねえ。
「警視庁を煙に巻く男!」とか「非情の街・ピエロと呼ばれた男!」とか「ベートーベンを聴く刑事!」とか、「殺意が配達された朝!」とか「少年はなぜ母親を殺したか!」とか「ストリップ・スキャンダル!」とか「トルコ嬢のしあわせ芝居!」(※永久欠番らしい)とか、「なんでこれが入ってないんだよ〜〜!」という叫びはおそらく全てのファンが持ってる感想だと思います。
早速ボックス1の、後期特捜以外を何度も見てます。
犯人当てクイズは是非当てたいのでじっくり見たいんですよね。
今回は初めて見るものも多く、実は「恐怖のテレホン・セックス魔!」は初めてです。
これ凄いですね!
シリーズで1、2を争う傑作とは聞いてましたが、これはマジで凄い。
予告はこんな感じ。
女「(電話に出る)もしもし、芝木でございます……」
男「ハァァァァハァァァァ、奥さん、今何してるの?俺、今、裸なんだよ。今、何着ているの?」
女「ヒィィィィ!」
男「おっぱいのところの3つのほくろにキスしたとき、たまらない声を出してくれるぜぇ」
船村「いい加減にしろ!私は警視庁特命課の船村というものだ。いつまでもこんなことしてると為にならんぞ、馬鹿野郎!」
男「よかったよ、今の声。ヨーコ、これからもそういう風にやろうよ…」
女「イイカゲンニシテェェェ!!」
そう、毎日のようにストーカー男のイタ電が繰り返され、それによって平凡な主婦がどんどんキチガイ追い詰められていくストーリーです。
今じゃケータイ時代にナンバーディスプレイと、同じ事件は起きないかもしれませんが、ストーカーは増える傾向にありますな。
114話「サラ金ジャック・射殺犯桜井刑事!」は、本放送の5ヶ月前(79年1月)に大阪であった三菱銀行襲撃事件(梅川事件)がモデルになってます。
今の価値観だと5ヶ月前の刑事事件をモデルにドラマ作ったらとんでもない抗議が来ると思うんですが、これ凄いですよね。
146話、147話の津上刑事殉職編は、特捜最前線史上最高の盛り上がりを見せます。
1グラムで2000万人が死ぬ猛毒ガスの入った風船を郊外に運ぶ津上。
神代課長が叫ぶ。
「津上!車を捨てろ!津上!お前の方が大事なんだぁぁぁ!!」
「ダメです!この車の中は、もうガスで一杯だ!」
車内に火を放ち、車ごと大爆発。
この展開にもう、わなわなと歯ぎしりしながら見てました。
ジーパンの殉職よりこっちの方がカッコイイですよ!
そして、刑事ドラマの殉職編は死んで終わりが多いのですが、本作は葬式のシーンもあります。
たったひとりの妹の泣き叫ぶ「兄さんを返してよ!返してよ!返せ!返せ!」には身につまされます。
しかし、なんたって船村のおやじさん主演話「恐怖のテレホン・セックス魔!」のほかに収録されている「乙種蹄状指紋の謎!」「哀・弾丸・愛 7人の刑事たち」が最高です。
とにかく特捜最前線ったら船村話ですよ。
「乙種〜」は、指紋が検出された犯人の無罪を証明する話ですが、これが実におやじさんがいい。
おやじさんは、体力その他あらゆる分野で特命課の後輩に劣ることを認めた上で言い放ちます。
「私は心だけは誰にも負けない!人を信じる心だけは、君たちに負けないつもりだ!」
敢えて何も言うことはない!
「哀・弾丸・愛」は語り尽くせませんよね。
雪の舞う中、哀しみだけが男たちをつつむ。
もう、この上ない展開です。
また、伝説の船村話「子供の消えた十字路」はボックス2に収録されます。
これも名作のひとつに数えられてまして、私も見るのが楽しみな作品です。
船村刑事主演編は3ボックス47本中最多の12本。
船村ファンにはこの上ない名チョイスばかりです。
愛を殺し、夢を葬り |
とはいえ、特捜は船村だけがウリではありません。
この「特捜最前線」には、もうひとつの側面があります。
昨年、「特サツ最前線」なるCDが発売されました。
中身は「デカレンジャー」から「ギャバン」、「ウインスペクター」、「ブルースワット」、「仮面ライダークウガ」など、「特撮の警察もの」、すなわち「特サツ」ジャンルに特化したコンピレーションCDです。
ほとんど持ってるので食指は動きませんでしたが、「女バトルコップ」「電撃!ストラダ5」「緊急指令10-4・10-10」(これをちゃんとテンフォー・テンテンと読める人はマニアだ!)と、微妙にマニアックな主題歌も入っているので、一応レンタルで聞きましたが、やっぱり買うレベルではありませんでした。
で、実はこの「特サツ最前線」、「特捜最前線」のパロディを狙っていることは一目瞭然なのですが、実は、「特捜最前線」自身、昔から「特撮最前線」と呼ばれてました。
これは、レギュラー刑事に特撮出身者が多かったのが理由です。
また、東映制作だったこともあり、ゲストにも特撮経験者が多数出演していますし、本作出演後に特撮ものに出演した俳優もいます。
「特捜最前線」レギュラーでは、こんな感じです。
二谷英明 |
「マイティジャック」当八郎隊長 |
藤岡弘、 |
「仮面ライダー」本郷猛/仮面ライダー1号 |
大滝秀治 |
「惑星大戦争」松沢博士 |
荒木しげる |
「仮面ライダーストロンガー」城茂/仮面ライダーストロンガー |
誠 直也 |
「秘密戦隊ゴレンジャー」海上剛/アカレンジャー |
西田敏行 |
「西遊記」猪八戒 |
横光克彦 |
「特警ウインスペクター」里村博士 |
本郷功次郎 |
「ガメラ」シリーズ |
桜木健一 |
「柔道一直線」一条直也 |
夏夕介 |
「突撃!ヒューマン!!」岩城淳一郎/ヒューマン1号 |
渡辺篤史 |
「じゃあまん探偵団 魔燐組」シャーロックおじさん |
三ツ木清隆 |
「光速エスパー」東ヒカル/光速エスパー |
阿部祐二 |
「特捜エクシードラフト」大門巌 |
関谷ますみ |
「太陽戦隊サンバルカン」女教師 |
さらにOPナレーションは中江真司さん。
「仮面ライダー本郷猛は改造人間である!」をはじめ、特撮もののナレーションに欠かせない声優さんです。(近年は「トリビアの泉」でおなじみ)
ゲスト出演者まで加えたら凄まじいことになります。
これは、製作が東映ですので、役者さんの都合というのもあるのでしょう。
とはいえ、特撮番組出演者は昔は出世しないのが当たり前だった時代ですから、レギュラー刑事の大半が特撮ものでレギュラー持ってたのは凄いことと言えます。
というわけで、出演俳優で味わうのも「特捜最前線」のひとつの味。
名優の共演もありました。
このまたとない経験を、ご家族で、DVDでお楽しみ下さい。
主題歌 |
ハイ、復活です。
本当は6月13日の8周年で再開を考えてましたが、まぁ、そこまで大々的にやるほど人気サイトじゃありませんので、「いつの間にか復活してた」路線でやります。
4ヶ月近くほったらかしの間もご覧になってた皆さん、本当にお待たせして申し訳ありませんでした。
まぁ色々と書けない話が多い年頃でして、そこら辺ご理解いただければ幸いです。
今後も以前のような頻度では更新できないと思いますが、まぁ、ぼちぼち書いていきますのでよろしくお願いします。
復活の理由はとりあえずこっちで書きたいことが出てきたってことがひとつ。
次が、mixiでしばらく私事的な日記を書いてたんですが、マイミクも広がってきて、こちらで書くことと、mixiで書くことの境界がぼやけてきた上にあそこはタグが使えない、さらに最近鯖が重い、だったらこっちで統一した方がいいのでは、ということがもうひとつ。
最後はここではちょっとご紹介できませんが、このサイトをどうしようか考えあぐねていたところもありまして、とりあえず今後は俺の趣味(つーかサブカル全般)をダラダラ日々徒然書きつづる、という方針でやっていこうかなーと思います。
本題。
「機動戦士ガンダム」の新テレビシリーズが今秋放送されるそうです。
タイトルは「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)」。
「ガンダム」は常々「新シリーズやるらしい」という噂が出回る作品でして、以前から噂は聞いてましたが、まさか完全な新シリーズとは思いませんでした。
俺の知ってる噂では「機動戦士ガンダムユニコーン」のアニメ化である、または「機動戦士ガンダムSEEDアストレイ」のアニメ化である、などでして、俺も「ユニコーン」だと思ってました。
理由はよくわかりませんが、サンライズは「ガンダム」を映像化する場合自社版権にこだわっており(「ガンダムセンチネル」のアニメ化は諸事情で「0083」になった)、「ユニコーン」も映像化の場合、福井晴敏氏や角川書店と版権を共有するわけで、そこら辺の事情もあったのかもしれません。
(なんて書くとまた変な噂が広まりそうなのであくまでも推測であることを強調しておきます)
さて、今回の「機動戦士ガンダムOO」、大まかなストーリーは未定のようですが、大体の世界観は出てきています。
予告編やネットから拾った世界観とスタッフは以下。
<世界観>
西暦2307年。
ソレスタル・ビーイング──戦争根絶を目指す私設武装組織。
ガンダム・マイスター──機動兵器を操る4人の操縦者
破壊による再生がはじまる
<スタッフ>
監督:水島精二(「鋼の錬金術師」「地球防衛企業ダイ・ガード」「シャーマンキング」)
シリーズ構成・脚本:黒田洋介(「無限のリヴァイアス」「スクライド」「ハチミツとクローバー」)
キャラ原案:高河ゆん(「LOVELESS」)
キャラデザイン:吉田健一(「OVERMANキングゲイナー」「交響詩篇エウレカセブン」)
プロデューサー:竹田菁滋(MBS)(「機動戦士ガンダムSEED」「BLOOD+」「コードギアス反逆のルルーシュ」)
「ソレスタル・ビーイング」と「ガンダム・マイスター」が敵対するのか、協力し合うのかは不明ですが、「戦争根絶を目指す私設武装組織」が出てきて、プロデューサーが私の大嫌いな竹田菁滋氏という段階ですでにテンションがガタ落ちですよ。
これが「総監督:富野由悠季」とクレジットされているならばもう少し喜べるんですが、どうせいつものように説教臭い竹田的平和論が振りかざされ、生々しい描写が連続して出てオシマイでしょう。
たとえば、ヒロインのひとりがレイプされるとか、ブリッジで自慰にふけるゲイの通信士がいるとか。
あ、これは「無限のリヴァイアス」か。
竹田プロデューサーがどういう政治思想を持っているか、よく知りません。
インタビューの一部だけコピペされたのを見れば「アメリカは世界中で戦争を起こし、殺人を行っている」とか「マンギョンボン号に3回乗ったことがある」など、どちらかと言えば左の方だそうですが、そんなのは個人の勝手です。
ただ、俺はアニメでプロパガンダはやるべきじゃないと思います。
そりゃ、戦争より平和の方がいいですよ。
んなもん当然じゃないですか。
信じない人もいるかもしれませんが、仮にブッシュ大統領に「戦争と平和どちらが尊い?」と尋ねれば「平和」と答えると俺は思います。
最初の「機動戦士ガンダム」というのは、今でこそ「争いを超越した人の革新を描いた」とか言われてますが、「戦争」にせよ「ニュータイプ」にせよ、手段であって目的ではなかったと思います。
今のガンダムは「戦争」が作劇の手段から目的になっており、そう言うのも旧来のファンが受け付けない要因のひとつだと思います。
たとえば、アムロが終盤「僕はこの戦いから平和の尊さを学んだ!みんな、武器を捨てるんだ!」とか突然演説したとします。
テレビの前で俺は「トチ狂ってお友達にでもなりに来たのかい?アハッ!」ですよ。
つまんないし、冷めちゃうと思います。
最初は人間を撃つことを躊躇っていた少年アムロ=レイが、いつしか母親の目の前で敵兵を射殺し、終盤は「ひとつ」「ふたつ」と敵兵を次々なぎ倒していく。
戦後は不遇の人生を送り、最終的にはテロリストの親玉(※クワトロ=バジーナ)と心中ですよ。
これが悲哀でなくてなにが悲哀かと思います。
富野監督がうまいなと思うのは、彼はアムロの口から一度も反戦メッセージを吐き出させずに、アムロ=レイの生き様がそのまま「戦争は恐ろしいんだぞ!一人のいたいけな少年がこうなっちまうんだぞ!」という無言のメッセージになっているんですよね。
富野監督は意識したわけではないと思うんですが、なかなか興味深い一例だと思います。
一方で「ガンダムSEED」では「どうしたら戦争は終わらせられるんだ」などと一介の兵士が騒ぎ、テロ組織を結成し、「戦争するヤツがみんな死んじゃえばいいんだ」とばかりに次々殺戮を繰り広げるという、なんというか暴力否定の末に暴力で仲間を殺害した連合赤軍みたいな状態になっています。
ガンダムSEEDの問題はそこですよ。
連合赤軍やキラ=ヤマトに限らず、世の中全般にも言えることですが、自分の嫌いな存在を完全に否定するように行動すると、最終的に否定した存在になってしまうんですよね。
蛇足ですけど、俺も気をつけないとイカンですな。
というわけで、まぁ、作ることが決まった以上はひとまず見守るしかないので否定はしません。
また、こう新作出るたびに「こんなのガンダムじゃない」と騒ぐだけなのも馬鹿馬鹿しいので、建設的な提案をしておきます。
こんなガンダムはどうでしょう?
1:戦後処理ガンダム
大戦後、残党やゲリラの散発的な紛争が続き、未だ地球連邦政府の自治権が及ぶ地域は限られていた。
主人公達は補給を受けつつ各地を転戦し、戦犯の逮捕や残党狩りを続けていく。
2:テラフォーミングガンダム
火星へのテラフォーミング計画が進み、調査の為の一番艦が火星に到着したところ攻撃を受けた。
それはウン10年前の大戦後行方不明となった敵組織の残党軍であり、彼等は火星に残された先進技術により強力な機動兵器を有し、地球圏奪還を目論んでいた。
一番艦は敵の攻撃をかわしつつ地球へ帰還し、この危機を伝えなければならない。
3:傭兵ガンダム
大戦後世界は荒廃し、無法と暴力だけに支配されていた。
主人公はただただ各地をさすらいながら、傭兵として、あるいは成り行きから戦闘を行い、再び去ってゆく。
毎回、軍の基地からモビルスーツを盗んだり、一人で組み立てる。
また、場合によっては対MSライフルでゲリラ戦を仕掛けることもある。
どうでしょう?
なかなか面白そうじゃないですか。
興味をもたれた方は、今すぐTSUTAYAで「機動新世紀ガンダムX」「蒼き流星SPTレイズナー」「装甲騎兵ボトムズ」(または「機甲猟兵メロウリンク」)を借りてみてください。
ってそれじゃダメじゃん!ネタないじゃん!
<補足>
「ロボットアニメ」のネタは確かにやり尽くした感がありますが、「銀河漂流バイファム」を「無限のリヴァイアス」に昇華させた(と俺は思ってる)黒田洋介氏がどういうガンダムをやるのか、ちょっと気になってるのも確かです。
お手並み拝見といったところでしょうか。
期待のしすぎは禁物ですが、過剰な否定もどうかと思います。
あと、「機動戦士ガンダムSEED」の劇場版はどうなるんでしょうか。
制作決定以後なにも発表がないんですが、このまま「宇宙大怪獣ギララ」のリメイク版同様、マウンテンサイクルの中へと消えてしまうのでしょうか。
とりあえず劇場版、もし作るなら両澤氏はストーリー原案程度に留めた方がよいかと……
基本的にこのサイトの日記では、俺の周囲の人に起きたネタはその人のものだから使わない主義なのですが、その人からも是非にということ、そして何よりこれは多くの人に知っておいて欲しい事実であるとの思いから紹介させて頂きます。
今日の日記についてはもう著作権フリーですので、「こんなことがあるらしい」ということを各地でお話しいただければと思いますし、日記のネタにでも何にでも使っていただければと思います。
なんならコピペしてもいいですよ。
先日、知り合いが振り込め詐欺にあいました。
不幸中の幸いで未遂に終わりましたが、あと一歩で200万円以上取られていたそうです。
その人は60歳の女性で、大変頭が良く、詐欺に引っかかるような人間ではないんですけれども、実に巧妙だったそうです。
その人によると、こういう流れだったそうです。
ある日、自宅に電話がかかってきました。
「あ、母さん?オレだけど…」という話し方で、その方は疑いもなく次男だと思ってしまったそうです。
つまり、家族の電話の話し方を知ってるわけですね。(ポイント1)
この時間は仕事中じゃないのかと尋ねたところ、「いや、ちょっと……あとで連絡するわ」といって切ってしまったんだそうです。
その方の次男は色々苦労された方で、先日やっと定職に就いた方だそうですけれども、家族構成や職業なども把握しての犯行かもしれません。(ポイント2)
その後も何度か連絡があり、さらに「ちょっとトラブルになっていて、携帯電話が使えない状態なんだ。会社にも電話しないで。連絡は上司の携帯にして欲しいんだよね。番号は090−…」という風に、本物への連絡をさせないようにし、さらに連絡先を一味の人物に一本化させます。(ポイント3)
その後、電話を通じて偽の次男が仕事で損害を出し、まとまったカネが必要であること、大体200万円くらいであること、至急必要であることなどが伝えられました。
その方は仕事を退職されたばかりで、お金を用立てることが出来たため、夫に頼んで用立てたお金を振り込んでもらったそうです。
推測でしかありませんが、家族構成を知ってる犯人のこと、退職した事実を知らないはずがないでしょう。狙われたんでしょうね。
振り込んだ際、ご主人が次男に携帯で電話したところ(※ご主人は次男の携帯が使えないという犯人の嘘を知らなかった)、偶然電話がつながり詐欺発覚。
警察と銀行の協力などもあり、奇跡的にお金は戻ったんだそうです。
しかし、母親の「情」につけ込んだ振り込め詐欺で、未遂とはいえ、実に恐ろしい話です。
当然犯人は捕まっておらず、今日も誰か新しい標的に電話をかけているかもしれません。
さらにもっと恐ろしい話もあります。
これは母の知り合いの知り合いのお子さんに起きたことだそうですので、どこまで事実か保証しかねますが、駅の階段でうずくまってるオジサンに声をかけたところ身の上話などの話になり、長々と話し込んでるうちに些細な一言でマジギレされ、「貴様はワシを傷つけた、金を払え!」ということになったんだそうです。
ご丁寧にそのお子さん(29歳)は「今1000円しかないんですよ」と答え、さらに怒った相手は「じゃぁ連絡先を教えろ」と叫んだため安易に教えてしまい、現在裁判沙汰になっているそうです。
なんでも難癖つけてカツアゲしてる有名なオッサンだったそうで、駅員も「真っ先に駅員を呼んでくれていれば…」と仰ったそうです。
不可解なのは裁判で金を直接払おうとしたところ、「振り込みじゃなきゃダメだ」の一点張りだそうで、どうも振り込め詐欺の一種のようです。
この一件は警察も手が出せず、民事でやってるそうですが、本人も家族もノイローゼだそうで、無理もないでしょう。
まぁ、安易に個人情報を教えたあたりで頭が弱いんじゃないのか、という疑問もわきますが、弱気な人だと押し切られちゃうかもしれませんし、なにしろ又聞きの又聞きなのでどこまで本当かわかりませんので、そこら辺は「仕様」ということにしてください。
とにかく、駅の階段でうずくまってる人を見かけたら自分だけで助けず、まず駅員を呼ぶこと。
次に、自分の個人情報はしっかり管理すること。(安易に教えない)
そして、なにか問題が起きたら「弁護士を通してください」ということが大切だそうです。
(特に「弁護士を通してください」は「それでも僕はやってない」公開当時、冤罪対策としてあっちこっちで紹介されてましたね)
人生、一寸先は闇ばかり。
「一年三百六十五日、鴉の鳴かぬ日はあれど、悪人笑わぬ日とてない」とも申します。
世知辛くなってきましたが、皆様、ゆめゆめご用心下さいませ。
本日の日記はマイケル・ベイ監督作品「トランスフォーマー」に関する話題ですが、お読みになる前に以下の内容をご了承下さい。 |
はい、見てきましたよ「トランスフォーマー」。
ビキニギャルが泳ぎ、濃緑色の零戦が暴れる「パール・ハーバー」を撮ってしまったが為に多くのオタクからブーイングを浴びたマイケル・ベイが、私の大好きな「トランスフォーマー」を実写で撮るという時点できっと黒歴史になると思ってました。
ところが、本国アメリカでトランスフォーマー信者が狂喜乱舞と聞けば見に行くしかないじゃないですか。
もちろん旧テレビシリーズでコンボイを演じた玄田哲章氏が再登板した吹き替え版を見てきました。
字幕もいいと思いますが、ワタクシは自信を持って吹き替え版をオススメします。
今作のストーリーはあちこちで触れられてますが、モテねーオタクの青年スパイクがサイバトロンの戦士バンブルと出会い、彼の助力を得て学園のヒロインであるカーリーと親密になる前半と、後半のロボットアクションものに別れてます。
その間、中東でメガザラックと戦うアメリカ兵の話とか、高木渉さんの声で喋るデブハッカーがダンスダンスレボリューションに興じてる小ネタが挟まれてますが、ざっと分けるならそんなとこです。
後で考えると尺が2時間半あるため、若干だらけたり、中東やらハッカーやらサイバトロン集合やらで中途半端な印象になりかねない状態でしたが、スクリーンで見ている限りは高いテンションと勢いでそのまま持っていってくれます。
ですので、あまり気になりません。
(逆に言えば、細かいところが気になるとか、ロボットが暴れても面白くなーい、という人は見てはいけません)
この映画の魅力は旧テレビシリーズを見ていなくても楽しめるけれど、知っている人は3倍楽しめる、ことに尽きると思います。
なんでもマイケル・ベイ監督は「信者を切り捨てれば否定派が増える。信者にも満足できる映画でなければダメだ」とのすばらしい哲学をお持ちだそうで、原語版でもコンボイを演じた声優さんを起用しています。
そもそもスタッフに信者がいたからかもしれませんが、信者は旧作でも見てろとばかりに切り捨てて、オマケに名作そのものも使い捨てにする邦画とはえらい違いです。
さらには旧シリーズの名台詞、「サイバトロン戦士、トランスフォーム!」や「お前が死ぬか、私が死ぬかだ、メガトロン!」といった台詞を使っていてくれたこともファン感涙です。
ただし、これらの台詞は吹き替え版では微妙に変わっていて、翻訳者ちょっと表に出ろ。
「お前が死ぬか、私が死ぬかだ、メガトロン」ときたら「そんなに命を捨てたいか、この馬鹿者めが!」と返すのが筋というものです。
(当然そのあとは「さぁ、捨てるのはどちらか、雌雄を決しようではないか」「よかろう、貴様如きは素手でひねり潰してくれるわ」と続きます)
あと、スタスクへの台詞も当然「スタースクリーム!何をしておる、この愚か者めが!」「お許し下さい、メガトロン様」というやり取りで通して欲しかったです。(つくづく鈴置さんの急逝が惜しまれますな。)
ですので、そう言った場面のやり取りは聞きながら「ちょwwwwわかってねーなーwwwww」と劇場でほくそ笑んでました。
やなヤツだ、俺。
しかし、吹き替えの際の微妙なニュアンスと、メガトロン様の一人称が「ワシ」ではなく「オレ」という違和感、そしてコンちゃんを「コンボイ」と呼ばずに「プライム」と呼ぶことさえ我慢できれば、というか、その辺しかケチをつけるところがない映画でしたね。
これはすごいことです。
今まで実写映画と言ったら、殺意を覚えるか、黒歴史に放り込むか、あまりの不人気ぶりにかえって擁護してしまうくらいしかなかったんですが、今回は自信を持って「面白い!」と断言できる実写映画が登場したと思います。
内容もオタク万歳映画で、流石オタクのスピルバーグがプロデュースしただけあります。
なんせ、コンボイのダメカリスマっぷりまで旧作準拠なんですよ。
一例を挙げれば
・部下は見捨てないとかいいながら「捕まったバンブルよりエネルゴンキューブが重要だ、きっとあいつもわかってくれる」と言い出して部下を助けずにエネルゴンキューブを探しに行くコンボイ
・エネルゴンキューブの在処を記したメガネを手に入れようと大騒動を巻き起こすが、実はキューブはバンブルの捕まったダムの底に隠されていたことに気付かないコンボイ。
・キューブを探しに行く途中、キューブを確保したバンブルとすれ違うコンボイ(そもそもバンブルだけで充分じゃねーか)
・人間を巻き込んではならないなどとアイアンハイドに説教しながら、メガトロンと市街地で激戦を繰り広げる
・結局今作でもメガトロンとは引き分け。最終的にメガトロンを倒したのはスパイクだった。
どうですか?
旧作で「私にいい考えがある」とか言い出して部下をひどい目に遭わせてきたコンボイのダメっぷりは健在ですよ。
これでDVDで子安武人さんや千葉繁さんによるビースト吹き替え版までいれてくれたら、もう何にもいりませんな!!
映画「トランスフォーマー」後編です。
今回は、これまでのアニメシリーズの紹介です。
実際のところ旧アニメシリーズについては一切知らなくとも今回の映画は楽しめますのですが、オタクの戯言と言うことで受け流してください。
元々「トランスフォーマー」(以下、TF)は、タカラ(現:タカラトミー)の「ダイアクロン」「ミクロマン」が、米国ハズブロ社の設定などを経て逆輸入された作品です。
ミクロマンも数年前にアニメになりましたが(主題歌が三浦大知君だった。当然公式サイトには載ってない)、あれは旧ミクロマンとは異なる「マグネパワーズ」シリーズです。(これ以上の説明は面倒なのでその辺はWikipedia読んでください。)
1985年(米国での放映は84年)にはじまったのがアニメ第1作「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」です。
本作から勇敢なリーダー、コンボイ司令官率いるサイバトロンと、悪の破壊大帝メガトロン様率いるデストロン軍団が戦う、というシリーズの基本フォーマットが固まっていました。
というか、今後紹介するシリーズは基本的にオモチャのコンセプトに多少の違いがありますが、ストーリーは基本的にサイバトロンとデストロンが毎回「なあなあのケンカ」を繰り広げるだけです。
正義と悪の区別も比較的容易で、サイバトロンは普通の車に変形しますが、デストロンは武器や兵器にトランスフォームします。
というわけで、普通買うなら正義の味方だけど、カッコイイのは悪役。
オマケにこの悪役がコミカルでどこか憎めないので、オモチャもかなり売れました。
現在、日本のオモチャメーカーと言えばバンダイひとり勝ちですが、1985年当時はタカトクトイスやクローバーが倒産したものの、まだまだバンダイとタカラの差は小さかったのです。
特に当時のロボットアニメは「機動戦士ガンダム」に端を発するシリアスなリアルロボット路線が主流であり、TFのようなコテコテのスーパーロボットは珍しかったのです。
この第1作からは今回の劇場版にも登場したコンボイ、マイスター、アイアンハイド、ラチェット、バンブル、メガトロン、スタースクリーム、デバスター、ブロウル、ボーンクラッシャーが登場しています。
ちなみにボーンクラッシャーはビルドロンの一員で、仲間と合体してデバスターになります。
ブロウルはコンバットロンのメンバーで、ブルーティカスになります。
映画本編ではブロウルが没になりデバスター(英名:デバステーター)にされてましたが、個人的にはブロウルの方がしっくり来ますね。
次の作品が「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010」。
前作終了後、「トランスフォーマー・ザ・ムービー」にてサイバトロンの司令官がコンボイからロディマスコンボイに交替。
メガトロンもガルバトロンにパワーアップしています。
また、「ザ・ムービー」でコンボイやスタースクリーム、アイアンハイド、ラチェット、プロールなどが戦死し、多くの新キャラクターに入れ替わっているのも特徴です。
まぁやってることは毎度おなじみ「両陣営によるなぁなぁのケンカ」なんですけどね。
(余談ですが、今回の映画版でマイスターが戦死しますが、実は旧アニメ版では最後まで生き残ってます。旧アニメ版ではコンボイ、アイアンハイド、ラチェットが戦死、バンブルがゴールドバグに転生しています。何かの皮肉でしょうか)
今作では「トランスフォーマー」の為だけに作られたオモチャが登場し、未来の乗り物に変形する車と、メトロフレックスのような基地に変形する大きなオモチャと組み合わせて遊ぶようになっていきます。
次「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ」。
製作がアメリカから日本に移り、東映動画とタカラによる日本式ロボットアニメに移行していきます。
ここら辺からリアルタイムで見てた同世代が出てきます。
前作までは基地と変形ロボットでしたが、今作は小さなロボットが変形ロボットの頭部になる「ヘッドマスター」が主役になります。
これの難点は頭部になるミニロボットをなくすガキが続出したことでして、私の友人も「首なしクロームドーム」や「首なしゴーシューター」をもっていました。
ちなみに今回の実写版映画に登場したスコルポノックは今作のデストロン司令官メガザラックの英名です。
サイバトロン側は今作でコンボイやウルトラマグナスが戦死、ロディマスコンボイが旅立つなど、世界観は引き継ぎながら前2作のキャラクターをリセットしました。
続いて製作されたのが「トランスフォーマー 超神マスターフォース」。
サイバトロン司令官はゴッドジンライに変わりました。
このジンライ、コンボイそのものですが、実はアメリカ版TFでは「2010」最終回でコンボイが復活して以降戦死していないため、コンボイのパワーアップ版として発売されたオモチャを別人として発売したのです。
今作では前作の司令官「フォートレスマキシマス」の色を変えた「グランドマキシマス」が弟という設定で登場。
TFでは「色が違うと形が同じでも別人」ということが多く、私も「オモチャは色が違うだけで同じじゃねぇか」と呆れたものです。
そんな色変えただけのオモチャも、オタクは必死で集めてしまうわけですけどな。
今作は人間がロボット生命体に変身するというストーリーになり、人間体のイケメン男子達に多数の女性ファン(今で言う腐女子)が付いたことも話題になりました。
ここまで順調に続いたTFシリーズも、世界観をリセットせずに続けたため、子どもですら「今までどういうストーリーだったか」ということがわからなくなってしまいました。
当時はTSUTAYAなんて便利なものもなく、1週見逃したら録画した友達を捜し、それでもいなければ諦めるしかなかったというのもあるでしょう。
翌年に製作された「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマーV(ビクトリー)」と、OVA「トランスフォーマーZ(ゾーン)」をもってシリーズはいったん幕を下ろします。
ただ、「V」の玩具売り上げは最高だったそうで、実際「スターセイバー」は欲しかったし、「マイクロトランスフォーマー」(新種のミニボット)も欲しかったので、たくさんの子どもが買ってもらったことは容易に想像できます。
その後は雑誌「テレビマガジン」にてグラビアストーリーとオモチャのリリースが継続して行われました。
「トランスフォーマーZ」の後半、コンボイ司令官がスターコンボイとして復活する「リターン・オブ・コンボイ」(「ザ☆バトルスターズ」)、時を経てコンボイとメガトロンが激闘を繰り広げる「トランスフォーマーG2」などです。
いずれもマニアしか知らないであろう作品であり、流通数の少なさもあってコレクターの間ではレアものに分類されているそうです。
また、この時期、タカラがスポンサードしたアニメ「勇者シリーズ」が放映されていました。
「勇者シリーズ」自体が「意思を持ったロボット生命体がパトカーなどからロボットに変形」というTFに共通したコンセプトであり、いくつかのオモチャが改修されて登場しています。
(一例を挙げれば「トランスフォーマーZ」の主役ダイアトラスは、「勇者特急マイトガイン」にて轟龍という悪役ロボットになって登場します)
ここまでのシリーズが「G1シリーズ」です。
(「G2」を除外することもある)
初代のコンボイは以後のコンボイと区別するため「G1コンボイ」や「初代コンボイ」「無印コンボイ」「玄田コンボイ」「私にい考えがあるぞ、の人」などとと呼ばれています。
次の作品が1997年の「ビーストウォーズ〜超生命体トランスフォーマー〜」です。
この作品から再びオモチャは日本、脚本アメリカに戻りました。
この作品は世界初の3DCGを使った連続アニメーションでもあり、アニメ史の中でも重要な存在です。
今作もコンボイ率いるサイバトロンと、メガトロン率いるデストロンの構図は変わりませんが、変形するものが従来のメカから動物になりました。
一例を挙げればコンボイ(わかりにくいのでビーストコンボイと呼ばれる)はゴリラに、メガトロン(ビーストメガトロンと以下略)はティラノサウルスになります。
この3DCGシリーズはTV「ビーストウォーズメタルス」やOVA「ビーストウォーズ リターンズ」の続編が存在し、その全てにおいて声優陣のアドリブ合戦が炸裂しています。
このほか、同時期の日本展開として「ビーストウォーズII(セカンド)」、「ビーストウォーズネオ」が放映されています。
「セカンド」と「ネオ」の世界は繋がっていますが、CGシリーズとの繋がりはないとされています。
ただし、劇場版ではビーストコンボイがゲスト出演しました。
さて、2000年からはじまったのが「ニュージェネレーション」シリーズです。
まずは「トランスフォーマー カーロボット」。
超絶な「なぁなぁバトル」が展開され、CG版ビーストを除けば歴代屈指のおもしろさになっています。
本作はアメリカでも大ヒットを記録、現在に繋がる「ビークル路線」を打ち立てました。
それから3年の休眠期間を経て復活したのが「トランスフォーマー マイクロン伝説」です。
本作は世界観が一新され、コンボイ(通称:アルマダコンボイ)以下、ラチェットやデバスター、アイアンハイド、スタースクリームと言った旧キャラクターの名前が復活しています。
最終回では「トランスフォーマーは戦うことが宿命、戦わなければ我々は存在出来ない」と、「それ言っちゃダメだよ」的な台詞も飛び出すなど、ファンの人気もまだまだ根強いです。
この作品は「マイクロン」と呼ばれるミニボットと合体するアクションがオモチャの売りでした。
そのまま正式な続編となったのが「トランスフォーマー スーパーリンク」。
今作ではガルバトロンのほか、ロディマスコンボイも復活。
「スーパーリンク」合体という、各キャラクターが上下半身に変形して合体するコンセプトが売りでした。
また主人公として地球人の青年キッカーがパワードスーツを着て登場、ミクロマンのノウハウを利用して商品化され、初の人間アイテムとなりました。
そして、現時点での最後の作品が「トランスフォーマー ギャラクシーフォース」です。
本作では「コンボイ」は司令官の尊敬名称となり、かつてのコンボイとは似てもにつかぬニトロコンボイやフレイムコンボイ等が登場。
「フォースチップ」と呼ばれる円盤と合体(イグニッション)することにより、多彩なアクションが展開されました。
誕生から20年以上経過しましたが、とにかく変形・合体するコンセプトも変わりません。
このシリーズは年々変形が複雑になり、大人ですら変形させるのに10分近くかかるため、最近では子どもひとりで変形させることが不可能と言われるようになっています。
そういえば、近所のK君は「超神マスターフォース」のデストロン側を買ってもらってたけど、変形は最後まで出来なかったなあ……。
そのせいか、最近は子どもはスーパー戦隊を買うようになったと言われ、一方「大きなお友達」はせっせこTFを買っていると聞いています。
読者さんで興味を持たれた方、大人も唸る出来映えだそうですので、「トランスフォーマー」のフィギュアを買ってみてもいいかもしれませんね。
1995年10月にテレビ放送されて以後、再放送などで人気が爆発した人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」。
そのリメイク再編集した「リビルド」劇場版が9月1日から公開されているそうです。
あらかじめ宣言します。映画館には行きません。
面白いとか、見た方がいいとか評判になっても絶対に見に行きません。
ただ、昔は「エヴァンゲリオン」は好きでした。
中学生くらいの時、缶コーヒーも買いそろえましたし、「同人誌」という存在を知ったのもエヴァでした。
そう言う意味では、ある種の衝撃体験だったというのは私も認めます。
最初に見たのはレンタル屋で見かけたポスターでした。
後ろに満月のある、有名な絵柄です。(※後掲)
ヴィジュアルだけの第一印象は、純粋に好き、と言うものだったと思います。
あのとき「綾波レイ」の名前は知らなかったんですが、単純なヴィジュアルで「これは、いい!」と思ったのはセイラ・マス(機動戦士ガンダム)と綾波レイ、あとはゲイ・エリス中尉(謎の円盤UFO)位だと思います。
知らない方のために一応書いておくと、「エヴァンゲリオン」(というか庵野作品)には様々な特撮やアニメの影響が存在し、前述の「ガンダム」はもちろん、「謎の円盤UFO」の影響も見て取れます。
(庵野氏自身が「UFO」がなければエヴァはないとも語っています)
左からゲイ・エリス中尉(1970年「謎の円盤UFO」)、セイラ・マス(1979年「機動戦士ガンダム」)、綾波レイ(1995年「新世紀エヴァンゲリオン」)
次に見たのが深夜の再放送です。
1週で2話オンエアされ、第1話と2話を見ました。
多くの友人が録り逃したために、中学の同級生が持ってたエヴァのビデオのうち、1話と2話は私の録画したヤツをダビングしたものでした。
貸したのは2〜3人だった気がするんです。が、孫コピーまで含めてどこまで行ったか知りませんし、ビデオを借りてみた人もいたでしょうから見た人は10人以上いたと思います。
確か、学年で成績トップの女子も子コピーのビデオを見たと言ってました。
これの見分け方は簡単で、1話と2話だけ異常に画質が悪かったんですよ。
最初にダビングして欲しいと言ってきた友人に貸すまで数日あったんですが、それまでに1日1回、多い日は2回、3回とリピートして見たんです。
エヴァンゲリオンの1話と2話ならあの数日で10回近く見たはずですし、オープニングだけなら20回以上は再生されてるはずです。
「エヴァ」という作品に対して否定的な見解を持つ俺も、これの2話までがとんでもなく面白かったのは認めますし、パチンコやゲームなどで「エヴァ」を知り、試しに1話を見てはまってしまう、というのは理解できます。
ただ、3話以降はどんどん鬱屈してカタルシスがなくなっていきます。自分がエヴァを批判する一因です。
ハッキリ言って、「エヴァンゲリオン」のTV版3話〜25話や劇場版を見るくらいなら、「機動戦士ガンダム劇場版三部作」を2回見た方がいいです。
ここで一部の方はテレビ版の1〜2話だけでなく、26話が抜けていることに気付かれたと思います。
そう、俺は26話のラスト5分、いわゆる「学園エヴァ」は認めているのです。
エヴァンゲリオンはアニメのカテゴリでは「SFアニメ」とか「ロボットアニメ」に分類されるようですが、個人的には「キャラクターアニメ」だったと思うんですね。
レイに限らず、アスカやシンジも含め、貞本義行氏のデザインしたキャラクターが魅力的であり、かつキャラクターが立っていたというのは俺も認めます。
さらに、少年エースの「碇シンジ育成計画」が面白いというのも認めます。
では、なぜエヴァを「見に行かない」と宣言したのか。
それは、庵野秀明氏への失望が最大の理由です。
中学時代にエヴァの劇場版を見て、私は怒りを感じました。
あのラストで、ちゃんと終わったと果たして言えるのか、大きな疑問がありました。
俺が決定的に庵野氏を嫌うきっかけはアニメ「彼氏彼女の事情」でした。2006年現在、庵野氏が手がけた最後のテレビアニメだったと思います。
今でこそ「実験手法」とか言われてますが、リアルタイムで見た当時は庵野氏のコダワリゆえに製作が遅れている感がありました。
最初はまだよかったんですが、徐々に結局原作マンガを動かして、声つけただけみたいな作品になっていきました。
最後の方はモノクロの静止画(キャラの顔アップ)に声が入ってるだけ。
タダの紙芝居じゃないかと思いました。
オマケに最終回はどうやって終わるのかと思ったら「この先は原作のマンガを読んでください」ですよ。
賛否両論あったんですけれど、あの時は「また話をまとめることを放棄した」としか感じることが出来ませんでした。
そして、改めて「エヴァ」という作品、それに対する失望みたいなものは、なかなか表すことが出来ませんでした。
アソノこと庵野秀明氏に、かつての「ダイコンアニメ」や「帰ってきたウルトラマン」のような輝きを求めることは、難しいでしょう。
そして、どれだけエヴァというものを人が褒め称えようと、10年以上破綻したまま作品を放置した彼の責任を俺は看過できません。
大体、完結編は映画で→製作長引いたので、完結編はもう半年待ってくれ→完結編公開、ドン引きなラスト→テレビと映画と、好きな最終回を選んでくれ、という流れにリアルタイムで翻弄された俺にしてみれば「今度こそ完結」という言葉を信じることは出来ません。
せめて、全部作ってから公開するべきでしょう。
敢えて言わせてもらえば、もうオタクはエヴァを棄てるべき時だと思っています。
確かに、エヴァは12年間、破綻したアニメ本編と、ゲーム、マンガ、パチンコだけで人気が持続しました。
これはすごいことです。
「機動戦士ガンダム」シリーズの12年と言えば、クワトロがアムロと心中するどころか、クロスボーンバンガードがフロンティア4にやってくるあたりまでの期間です。
それが「エヴァ」では続編なしで、本編の焼き直しだけで12年もたせた。
アニメ史において、これは特殊なことです。
おそらく、こんな事例はもう出てこないと思います。
ただ、逆に言えばこれが破綻した本編を放置し、何度もDVD-BOXを再販し、出来の悪いゲームでお茶を濁すという、制作側の傲慢を許しているとも思えるのです。
かつて好きだったからこそ、この体たらくには多少の怒りを覚えます。
普段だったらそんなことは表に出しませんが、エヴァというものは思い出深い作品ですし、「エヴァの元ネタの方がエヴァより面白かった」という事実への怒りも含め、「棄てる」という思い切った表現をさせてもらいました。
信者の人には申し訳ないのですが、今度の映画できちんと終わらせられないのなら、庵野氏はそれまでの力量だったと思ってます。
私が頭下げて、DVDを素直に買うような作品になることを、期待します。